震災「地域ごと入居」より「抽選で仮設入居」の精神障害リスク高く
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FNN
2016.02.26 UPDATE
(2016年2月23日 FNNより) 東日本大震災で住宅を失った人のうち、「抽選で仮設住宅に入居した」人は、「地域ごとの集団入居」の住民に比べて、精神障害のリスクが高いという研究論文が発表された。 東北大学などの研究チームが、震災から1年後の2012年に、宮城・岩沼市の仮設住宅に住む被災者を調査したところ、抽選によって仮設住宅に入居した被災者は、地域ごとに集団で入居した被災者に比べて、誰かから『手助けを受けていない』と回答した割合が、20ポイント近く多かったという。 研究チームは、手助けがない人は、手助けを受けている人に比べて、重度の精神障害のリスクが2.5倍になるとしていて、抽選で入居した人に比べて、集団入居した人の方が、濃密な人間関係があるため、心の健康状態が良いと結論づけている。
阪神淡路大震災ではくじ引きでバラバラに仮設住宅に引っ越したことが災いして、孤立死や周りに知人がいないことで閉じこもりになり、心身を弱らせてしまったお年寄りが続出した、という苦い経験があります。
この反省から、その後の災害時の移住はできるだけコミュニティごとに行う、という「学び」がありました。
今回、東日本大震災前後の追跡調査から、コミュニティごとに集団で入居した人たちのほうが、互いの手助けのやり取りが20%ほど多く、手助けを受けているほど重度の抑うつ状態になるリスクが低かった、という結果が示されました。
仮設住宅には、心のケアをしようと多くの支援団体が入りました。それでも限界があります。災害時は可能な限り集団ごとに移転することの重要性がはじめて客観的なデータで示された形となりました。
災害時など、厳しい時ほど、人とつながり助け合うことが重要なのだと思います。そのようなつながりをどうやって作っていけばいいのかなど、さらに模索していきたいですね。
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