がんサバイバーの時代 ~「がんを克服した」はやめましょう~
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yomiDr(読売新聞) 2016.03.08 UPDATE
(2016年3月7日 yomiDr(読売新聞)より) 「私はこうやってがんを克服した」 「がんはこうやって克服する」 ネットなどを見ていますと、このような情報があふれています。 私は、この「がんを克服する」という言葉に、がんの専門家として、大変、違和感を覚えます。
「がんサバイバー」という考え方を紹介している記事です。これまで、がんといえば「治る/治らない」という二種類だけの考え方でした。しかし現在は、がんと診断された全ての人を対象として、手術や抗がん剤などの治療だけでなく、精神的苦痛への対処、治療後の後遺症やリハビリ、仕事への復帰、更には家族や介護者なども含めた様々な問題を総合的に考える方向へ進んでいます。
がんで亡くなる人は多いですが、それ以上に、治療などの進歩によってがんになっても生きている人が増えています。がん診療に携わる人たちの間では、徐々にこの考えが広がりつつありますが、一般にはなかなか知られていません。「がんサバイバー」という言葉が広がって、医療者と患者だけでなく、社会全体でがんのサバイバーを支援できるようになればいいですね。そうすれば、がんになっても健康な時とあまり変わらない生活ができるようになるでしょう。
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