スピードが速くて持久力もある筋肉は?
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日経Gooday(グッデイ) 2016.04.01 UPDATE
“筋肉博士”石井直方先生(東京大学教授)が、筋肉のメカニズムや機能を毎回わかりやすく解説していきます。今回は、筋肉のタイプを分類していきます。筋肉の分類法には、(1)「代謝的な特性」により分ける、(2)「組織染色法」により分ける、(3)筋収縮をつかさどる「タンパク質」により分ける、という3つの方法があります。
“筋肉博士”石井直方先生(東京大学教授)によるマニアックな筋肉分類の解説です。筋肉マニアの方は必読です。それほどマニアでない方は、筋肉のタイプとして、スピードが速いが持久性のない筋線維、スピードもあり持久性もある筋線維、スピードはないが持久性のある筋線維、の3種類があることを知っておいてください。そして、トレーニングによって筋線維の移行が起こることが動物実験によって示されていますが、それがヒトでも起こるかは明らかではない、とのことです。
短距離が速い人、マラソンが得意な人、というのは、ある程度は遺伝的に決定されると考えられています。筋線維の移行がヒトでも起こるのであれば、遺伝的なマイナス面をトレーニングによって補える可能性が出てきます。しかし、それよりも神経系の改善によって、パフォーマンスは向上しますので、筋線維の移行という生理学的な変化が起きなかったとしても、「足の遅い子どもがトレーニングによって速くなる」という結果は得られます。
よく「筋トレをして筋肉がついた。こんなに重い負荷でトレーニングできるようになった。」という話を聞きますが、必ずしも、パフォーマンスの向上=筋肉量の増加、ではないことも知っておいてください。特に、短期間でのパフォーマンスの向上は、神経系の改善によるところが大きいです。
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