自宅で死を迎えるがん患者は生存期間が長い

病気・医療

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favicons?domain=news.e-expo 健康美容EXPOニュース 2016.04.07 UPDATE

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最期のときを自宅で過ごすことを選んだがん患者は、病院で死を迎える患者よりも長く生きることが、日本の大規模研究で明らかにされた。 この知見から、医師は死期の迫るがん患者に対し、自宅での緩和ケアを迷わ...

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尾瀬功

愛知県がんセンター研究所 疫学・予防部 主任研究員 医師 博士(医学)

 終末期がん患者さんは家で過ごしても入院するのと比べて生存時間は変わらない(むしろやや長い)という結果です。記事の最後に元の論文へのリンクもあります(英語、抄録のみ無料)。また、この記事以外にも他の新聞などでも多く取り上げられているようですね。

 この研究は日本全国58施設で大規模に行われた研究ですので、日本人全体にすぐにも当てはめられる結果です。自分の家で最期を過ごしたいという希望は多いものの、実際病気になると自宅療養で十分な治療ができるのかという不安が患者さん本人も家族も大きく、しかたなく入院を選択してしまうことも多いです。しかし、この研究はそれらの不安を解消するための材料になりますね。実際、この研究でも入院した人の方が多く点滴や抗生剤を使われたようですが、生存期間は自宅療養の人とあまり変わりませんでした。

 あまり一般的には知られていませんが、現在は訪問診療や訪問介護が充実していますし、介護保険も通常は審査などに時間がかかりますが、がんで症状が強い場合はすぐに使える場合があります。病院でしかできないと思われがちな点滴や酸素吸入も自宅で可能ですし、病院と同じような電動ベッドなどの器具のレンタルもあります。こうしたいろいろな手段や制度は変わる場合がありますので、病院のソーシャルワーカーさんなどに相談するといろいろ教えてくれるはずです。
 私事になりますが、私の祖父が胃がんで亡くなるまで一ヶ月ほど自宅で過ごしました。上記のような制度をフル活用させてもらったおかげで、本人も満足そうでしたし、家族もゆっくりと最後の時間を一緒に過ごすことができました。もちろん全ての人が自宅を選択するわけでもないですし、病状から自宅は無理となることもあるでしょう。それでも最後ぐらい、多くの人が自分の思い通りに過ごせるようになって欲しいですね。

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