5月の自殺者を急増させる「約束破りの効果」とは?(河合薫) - 個人

メンタル

  • 3,609
  • 5
  • 0

favicons?domain=bylines.news.yahoo.co Yahoo!ニュース 2016.04.30 UPDATE

5月は「自殺者」が増える、魔の季節だ。 以下は、1997年の2万4391人から1998年の3万2863人へと、自殺者が急増した1990年代後半の自殺者の月別発生割合である。春になると年平均値から10~25%ほど増え、その後はゆっくり下落。秋になるとわずかな上昇を示すものの、冬になると急下降する この季節曲線は現在も続いていて、2000年代以降は、特に30代、40代で多くなる傾向が認められている。

記事全文を読む

1429007538dc08dd2db76c40ca5766ac8c1961d0af

奥原剛

大学病院医療情報ネットワーク研究センター 東京大学大学院医学系研究科医療コミュニケーション学分野 特任助教 MPH(公衆衛生専門職)

5月に自殺者が増える理由として最近いわれているという「約束破りの効果(broken promise effect)」とは、「草木や動物だけでなく、実は、人間にとっても春は成長の季節で、春先に「希望」を抱く心理が存在し、その希望と現実とのギャップが、自殺の引き金になるのでは?」というものだそうです。希望は人に生きる力を与えますが、その希望が生きる力を奪うこともあるわけですね。

困難に遭遇した時に、踏ん張って耐えたり、乗り越えようとしたり、希望を失わずに前を向いて生きていこうとする「意志」は、車のガソリンのように有限で、使った分だけ減っていきます(Ego depletion theory)。「意志のガソリン」がエンプティーに近くなってくると、ささいなことで激しく動揺したり、号泣したり、感動しすぎたりするなど、「感情を強烈に感じる」という症状が出てくると言われています。もちろん、「がんばろう」というやる気も出なくなります。

「意志のガソリン」を補給するには、ひたすら寝たり、ぼーっとしたり、意志を使わないで済む消極的休息が必要です。がんばりすぎて、意志のガソリンが不足しているかもと感じる人は、連休は消極的休息で、意志のガソリンを補給してはいかがでしょうか。

  • 5
  • /
  • 専門家のいいね!3
  • 1427682568bdac8173bccfdf9e21f4a0cc8fa506d3
  • 14279372274c08aa32939127469cb8d4d052380108
  • 1462054317f325d6386d012f89d666629969d09d78
  • usericon_noimage
  • 143218123062e4ba92b4eae69e49f1441b3fa2c1ee

この記事へのコメント

コメントする

この記事の関連キーワード

この記事と関連する記事

会員登録が必要です

すでに登録済みの方はこちら

ログイン

まだ会員になっていない方はこちら

ユーザ登録

コメント編集(管理者用)

コメントを削除

キャンセル

Facebook連携


閉じる

このコメントに関する
問題の内容を選択してください





送信

送信完了

閉じる

コメント編集

会員登録が必要です