中田由夫

筑波大学 体育系 准教授 博士(体育科学)

ヘルスナッジメンバーでもある村上義孝先生による記事です。BMIという体格指数と死亡率の関係は、U字カーブを描くことが知られており、すなわち、やせでも肥満でも死亡率が上がります。このことから、「やせている人は太らないとダメ？」という考えに至りそうですが、そこに「待った」をかける解説です。いつもながら、とても分かりやすい記事で勉強になります。是非、お読みください。

記事中に詳しく解説されていますが、重要なポイントは「因果の逆転」です。「やせている⇒死亡率が高い」と思っていたら、実は、「喫煙や慢性疾患の影響で死期が近づいている⇒やせてきた⇒研究に参加⇒死亡」という事例を拾ってしまい、見かけ上は「やせている⇒死亡率が高い」という関係性が示されている、ということです。

もちろん、体重は軽ければ軽いほど健康、ということはなく、適正な範囲内で体重管理することが重要です。ただし、元々やせ体質の人が無理して太る必要はなく、バランスの良い食事と適度な運動を実践していれば、十分、健康的な状態を維持できると考えられます。