「太ってる」だけではすまない『肥満症』 そのリスク とは

健康・予防

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favicons?domain=mocosuku Mocosuku(もこすく) 2016.06.27 UPDATE

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「肥満症」と聞くとどういうものだと思われますか? 肥満の定義は「太っている」と、とても抽象的です。 しかし、医学的な見地からいうとそうではありません。「体脂肪を落として減量をしなければ、他の健康被害を併発するリスクが高い人」が肥満症と定義づけられています。

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笹井浩行

東京都健康長寿医療センター研究所・主任研究員 博士(スポーツ医学)

肥満ではなく”肥満症”の定義や健康リスクについて解説した記事です.肥満症の定義が主要学会の診療ガイドラインと少し齟齬がありますので,解説します.

日本肥満学会による最新の診療ガイドライン「肥満症診療ガイドライン2016」によると,肥満症とは”肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか,その合併が予測される場合で,医学的に減量を必要とする病態”と定義されています.

記事では,肥満症とは”体脂肪を落として減量をしなければ、他の健康被害を併発するリスクが高い人”とされていますが,学会ではすでに健康障害を有する人も肥満症に含めていることが相違点です.

肥満症の診断には肥満(BMIが25以上)に加えて,記事でも解説されているように,2型糖尿病や脂質異常症,高血圧,閉塞性睡眠時無呼吸症候群,変形性関節症などの健康障害を有するか,(健康障害がなくても)内臓脂肪蓄積が認められている必要があります.
※BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

内臓脂肪蓄積は,腹囲が男性で85cm以上,女性で90cm以上か否かでスクリーニングした後,腹部のCT検査にて内臓脂肪面積が100cm2以上だった場合に判断されます.

なお,肥満を疾患として扱う肥満症(obesity disease)という日本発の概念は,現状では国際的に完全に浸透しているとはいえません.

日本やアジア諸国が率先して,この概念を国際的に浸透させようという動きがあります.2015年9月に名古屋で開催されたアジアオセアニア肥満学会に合わせて,肥満症を国際的な概念として浸透させようという「名古屋宣言2015」が提唱されました.
http://www.c-linkage.co.jp/jasso36/data/nagoya_declaration2015_jp.pdf

国際的な拡がりはこれからという状況です.

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