科学者たちの生の声から分かった「科学が直面している大きな7つの問題」とは? - GIGAZINE

病気・医療

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favicons?domain=gigazine gigazine 2016.07.21 UPDATE

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医学、心理学、環境学などの科学記事を掲載してきたニュースサイトVoxは、これまでの取材の中で、近年、科学者の多くが重大な疑問を抱えていることを感じたそうです。そこで、科学者たちはどのような問題に直面しているのかを調査するために、大学教授や研究室のリーダー、大学院生などあらゆる立場の研究者270人に対してアンケート調査を実施したところ、科学が7つの大きな問題に直面していることが分かりました。

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柿崎真沙子

名古屋市立大学大学院医学研究科医療人育成学分野 講師 博士(障害科学)

 この記事で記載されている7つの問題は以下になります。詳細については元の記事をご参照ください。

 ①資金調達の難しさ、②研究成果の誇張、③再現性の危機、④査読システムの崩壊、⑤ペイウォール問題、⑥公衆と疎遠な科学、⑦若い研究者のストレス

 個人的には結局どこの国も同じことで問題を感じているんだなあ・・・と感じました。私が博士課程に進学した10年以上前から全くこれらの問題は解決されることなく相変わらず大きな問題となっています。

 資金調達の難しさも日本では同じですし、研究成果の誇張があるからこのHealthNudgeのようなサービスが立ち上がったわけですし、再現性の危機は近年のねつ造の増加とも関連していますよね。④の査読システムの崩壊については研究に携わってないと想像しづらいかもしれませんが、多くの先生方は「あー・・・依頼たまってる・・・自分の論文も査読処理どうなってるんだ・・・」とか色々考えるところがあるかと思います。⑤のペイウォール問題はいわゆる学術ジャーナルの購読料が高騰して大学によって購読雑誌が制限されてしまっていることや自分の論文を雑誌に掲載してもらうのに以前よりも多くの支払いが生じることで、これも多くの先生方には納得していただけるのではないでしょうか。⑥の公衆と疎遠な科学については、医学研究ですと割と治療や健康と密接に結びつくことが多いのでそれほど感じることが少ないかもしれませんが、いわゆる基礎科学と言われる領域ではもう10年以上日本でも問題にされています。⑦の若い研究者のストレスについては、もうそれはそれは私の周りの多くの若手が、というか若手で問題を抱えていない人は皆無と言っていいくらい、深刻な問題です。

 研究費の推移や各国比較、若手研究者の育成や雇用については、2015年に鈴鹿医療科学大学 学長豊田長康先生が出されているリンク先のスライドが非常に詳しいです。(http://www.janu.jp/news/whatsnew/2014-seisakukenkyujo-uneihi.html

 このような問題を抱えながらも多くの研究者が日々研究にいそしんでいます。その問題の一端を考えるきっかけになっていただけたら幸いですし、HealthNudgeのようなサービスが広がり浸透することで少しでも問題が解決されることを祈ります。

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