【デキる人の健康学】運動すると認知機能が向上する理由 脳に達したケトン体の作用 (産経新聞)
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Yahoo!ニュース 2016.09.14 UPDATE
先週のコラムで学習後4時間で運動すると記憶がより効率的に固定化するという話題を紹介した。身体活動量の高い高齢者の認知機能が保たれていることから運動と認知機能の関連性は古くから知られている。「最強の脳トレはウオーキング」と主張する研究者もいるほどだ。
タイトルに「運動すると認知機能が向上する」とありますが、記事での説明によれば、「運動と認知機能の関連性は古くから知られている」とあるので、実際に運動することで認知機能が向上したことを確認したのではなく、運動している人は認知機能が高い、という関連性を示した観察研究に基づいています。したがって、まだ「運動すると認知機能が向上する」とは断言できないレベルだと思います。
とはいえ、運動すれば認知機能の向上に寄与しそうだ、ということは多くの研究によって示唆されています。そして、この記事で紹介されているように、BDNFと呼ばれるたんぱく質がそのメカニズムに関わっていることが注目されています。運動によって認知機能が向上するメカニズムを研究することは、とても意義のあることですが、仮にメカニズムが証明されたとしても、実際に運動によって認知機能が改善するとは限りません。多くの薬理作用を持つ化合物が、メカニズム的には薬効があるはずなのに、実際には薬として作用しないことが多々あることと同じです。
したがって、メカニズムを追求しつつ、人を対象とした介入研究によって、運動が認知機能を向上させることを証明することが重要で、これが信頼性の高いエビデンスとなります。
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