遺伝子タイプで最適なダイエット法がわかるってホント? (@DIME)

ダイエット

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favicons?domain=zasshi.news.yahoo.co Yahoo!ニュース 2017.01.10 UPDATE

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今、自分の細胞を採取して得られる「DNA」から、がんなどの病気のリスクや、体質などを知ることのできる遺伝子検査が人気だ。なかには、太りやすさなどが細かくタイプ別に分かることでダイエットに役立てられるものもある。このダイエットのための遺伝子検査のキットを手掛けるDHCの担当者に、遺伝子タイプとダイエット法について聞いた。

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今村文昭

ケンブリッジ大学医学部 MRC疫学ユニット

原文: http://dime.jp/genre/321427/ 

個人の遺伝情報を調べて、その情報に対応した生活を送るのがよいだろうという記事です。

まずインタビューを受けている人は、DHCの社員の方です。DHCは遺伝検査キットを販売しており、記事の内容はその有用性を支持するものになっています。このように企業の利潤と関係がある記事は基本的に本気にしないのがよいでしょう。(必ずしも悪いわけではありません。)

本題です。

遺伝的な情報に基づいた医療や食事などは広く認められています。たとえば遺伝要因のある種の糖尿病やフェニルケトン尿症(難病の1つ)では、その疾患にあった食生活が求められます。

しかし、こうした事例は疾患の診断がくだされ、それに対応するというものです。難しいのは、健康な人が遺伝検査をして、食生活などを変化させるべきかというケースです。世界中で研究、議論が盛んに行われています。流行りなだけにDHCのような企業も参入するというわけです。

肥満や生活習慣病について、遺伝情報によって生活習慣を変えた方がよいという科学的な実証は今のところ実社会に応用できるほどのものはありません。ですので、今のところ、遺伝子検査をしてダイエットに役立てよう!という動きは推奨できるものではありません。遺伝情報などが絡むと「最先端」などといったうたい文句で潤いそうですが、その応用はまだ非常に限られています。

すでに長くなってしまいましたが・・記事には最低でも3つの問題点があります。

1.
まず、遺伝子の効果だけ考えても、本当に記事にあるような効果があるのかわかっていません。たとえば太ももや腹部にお肉が付きやすい人になるという実証も、非常に少人数で限られた研究であることがほとんどです。再現性がない研究であったりすることが多いことが知られ、実社会に応用できるほど蓄積された知見とは程遠いのが実情です。(再現性などが確認できていない研究成果を好しとする科学界の問題であるとも言えます。)

2.
また遺伝的に効果があるにせよ、ある食事によって身体にお肉が付きにくくなるかどうか、生活習慣によって遺伝的な効果を軽減できるかどうかはさらに難しい検証が必要となり未解明なものがほとんどです。記事に載っているような内容は実証されていません(確認済み)。

3.
また実際に、遺伝情報を伝えられた人が生活習慣を改善するかというと、多くの人は改善しないことがわかってきています。(欧米の研究です。ちなみに、遺伝的にアルツハイマー病の発症しやすいと知った人が、医療保険に多く加入したという観察はされています。)

遺伝子検査の応用の可能性はもちろん無限にありますが、記事のような話は残念ながらまだまだ応用には至っていません。科学的根拠のない代替医療の一貫と考えてよいでしょう。

実際には、高いお金を払って遺伝検査をするよりは、自分の体重や腹囲などのお肉の付き具合を調べ、自分の体型を把握し、一般に推奨されている生活を営むのがよいでしょう。

どうしてもお金を投資したいのであれば、現在の医療を直接頼った方がよいでしょう。血中のコレステロールなどを測ってもらい、専門家の指導を受け、自身の生活習慣を見直した方がよいです。その効果は医学的にも認めらています。

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