妊娠中も食生活をゆるっと楽しみましょう (読売新聞(ヨミドクター))

出産・育児

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favicons?domain=headlines.yahoo.co Yahoo!ニュース 2017.01.12 UPDATE

新年あけましておめでとうございます。みなさまは、どんなお正月を過ごされましたか?  私は、実家のある埼玉と横浜で、のんびりとお正月を過ごしました。元日には、両親や兄弟家族が勢揃(ぞろ)いし、たいへん賑(にぎ)やかでした。甥(おい)っ子や姪(めい)っ子も少し見ない間にすくすくと成長し、私が子供の頃、叔父や叔母に「しばらく見ないうちに大きくなってぇ~」と言われたお決まりのセリフを、自分も発していることに気づきました。

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林 伸彦

英国 King’s College Hospital 胎児科 医師 NPO法人親子の未来を支える会 代表理事

妊娠中の食事に関する良記事です。

妊娠中の食事については、科学的根拠なく不安を煽るような「怪しい」記事がたくさんあるのですが、本記事では真摯にバランスよく書かれていると思います。

妊娠中に、通常よりも多めに摂取すべき栄養素として、葉酸と鉄が挙げられていますが、必要になる時期が重要なのでここを少し補足します。

1. 鉄は妊娠中期から後期にかけて特に必要

 鉄は血液をつくるのに必要な栄養素です。鉄剤に関しては、通常の妊婦検診を受診していれば問題になることはほとんどありません。産婦人科では、妊娠初期・30週頃・37週頃に貧血検査をします。食事からの摂取ももちろん有効ですが、それでも貧血が認められるようであれば、病院から鉄剤を処方されます。問題になるのは葉酸の方です。

2. 妊娠前から葉酸400μg!
▶︎少なくとも妊娠の1ヶ月以上前から3ヶ月まで

記事内にも言及されているように、葉酸は、無脳症や二分脊椎という病気を予防する効果があり、世界中で推奨されています。米国などでは、パンなどの穀物に付加することが義務付けられており、日常生活のなかで必要量の葉酸を摂れるような政策があります。日本ではこのような政策はなく、個々人の選択に任されています。

厚労省研究班の調査では、約6割の妊婦が何らかのサプリメントを内服していることがわかっています。その一方で、二分脊椎症を持って生まれてくる赤ちゃんの人数は過去20年間減少していないことも知られています。その背景には、葉酸を摂るべき時期にサプリメントとして内服していた妊婦さんが未だ10%にも満たないことがあります。

妊娠サプリはたくさんの種類が販売されており、どれがいいか迷ったのちに、結局決めきれずに飲まない人がいるのも現状です。葉酸の意義がもっともっと浸透して、予防できる病気を予防できる社会になることを願っています。

厚生労働省 難治性疾患克服事業・研究班 葉酸普及研究会
http://yousan-labo.jp/yousan/data.php

<まとめ>
妊娠中には食事に限らず色々なことが不安になるものです。
「安心のレベル」は人それぞれですが、「安全のレベル」に関して正しい情報を専門家がもっと積極的に発信して行くことで、妊娠期に必要以上に不安にならずに済むのではないかと思っています。一人でも多くの妊婦さんが妊娠をエンジョイできますように。

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