日本全国で「がん難民」が生まれる深刻な理由

病気・医療

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favicons?domain=toyokeizai 東洋経済オンライン 2017.01.15 UPDATE

「がん難民」という言葉をご存知ですか。全国各地のがんセンターや大学病院などの高機能病院で、治療ができなくなったがん患者が、医師から見放されてしまい、行き場をなくしてしまうという問題です。

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尾瀬功

愛知県がんセンター研究所 疫学・予防部 主任研究員 医師 博士(医学)

 「がん難民」が生じる原因と、そうならないためにどうするかという記事です。記事の中ではがん難民とは「治療ができなくなって患者が医師から見放されてしまう」こととされています。そのため、「患者が医者を見限ることも大切」とし、「心から頼りにできる主治医を別に持つ」ことをすすめています。
 しかし記事の中では、「わたしが研修医だった30年以上前にはごく当たり前な存在だった患者に高圧的な医師は、今では少数派になっています。時代とともに医師の側も変化してきています」とあるように、ひどい医者は少なくなっています。そのため、「がん難民」の原因はひどい医者だけではありません。

 よく知られているように、がんの治療はそれなりに大きな副作用を伴います。ですから、がん専門病院で行われている治療は科学的に検証されて効果があると認められたものだけになります。効果がない治療や、効果があるかどうか不明な治療を患者さんに行うことは人の道に外れたこととされていますので、まともな医者は行いません。(もちろん、治療の効果を検証するために臨床試験として患者さんの同意の上で行う場合は例外です。)そのため、患者さんの状況によっては効果の期待できる治療法が存在しない場合があり得ます。このような場合、ほかの治療はなぜできないのか、主治医ときちんと話し合うことが必要です。ここで話し合いができず、医療の限界を知らなければ、どこかに魔法のようなすごい治療があるかもしれないと思ってしまい、がん難民となってしまいます。さらにこのような場合、がん患者さんに同情するふりをして根拠なく治ると言い、効果の検証されていない怪しい治療や健康食品などを高額ですすめる輩がたくさんいます。

 個人的には、がんで治療法がないといわれたら、近隣のいくつかのがん専門病院でセカンドオピニオンを受けてみることをおすすめします。そうすれば主治医が冷たいのか、医療の限界なのかがわかると思いますし、がんにつけこんで儲けを企む輩にだまされることも無くなるでしょう。

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