インターネット検索によって得られる「がんに関する情報」は正しいか〜

病気・医療

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favicons?domain=epilogi.dr-10 エピロギ 2017.03.09 UPDATE

昨年11月、医療系キュレーションメディアの発信する情報に問題があるとして、大きなニュースになりました。 利益のために、公正な記事であることよりも検索サイトの上位に表示されることを優先し、不正確な医療内容の記事を掲載したり、別のサイトから無断転用したり、手段を選ばないやり方が取りざたされました。 また、今年2月にはGoogleが日本語検索について、サイトの品質の評価方法に改善を加えたと発表しました。しかし、がんに関する情報で検索を試みたところ、改善の効果を感じることはできませんでした。表面的、機械的な評価には限界があるということでしょうか……。 このような、不確かな医療に関する情報提供の問題について、皆さまはどのように感じていらっしゃいますか。

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伊藤ゆり

大阪医科大学 研究支援センター 医療統計室 室長・准教授 博士(保健学)

がんと診断された患者さんとご家族にとって、インターネットは最も身近な情報検索ツールです。医師から受けた説明を持ち帰り、さらに検索して情報を得ようとする方がほとんどだと思います。しかしながらこの記事にあるようにまだ日本では確かな情報が検索上位に上がって来ないことが明らかになりました。ネット検索して行くうちに迷宮に迷い込み、医師の示す治療法は正しいのか、もっといい方法があるのではないか、治療を受けない方がいいのでは、などと不安に陥ることになりかねません。

記事中で取り上げられているインターネットにおける医療情報の質に関するガイドラインであるHON codeという8基準は、昨年のがん対策推進協議会でも患者会の委員の方から示され、日本でも正しい情報がきちんと検索の上位に来るようにしてほしいと要望が出されました。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000141132.pdf

このHON codeの8基準は私たち専門家が情報発信して行く上でもきちんと明示しなければならないことを認識するとともに、読み手側にもこのような視点で玉石混交のインターネット情報の正しさを判断できるよう意識してもらえるとよいなぁと思います。

記事の中で、ご自身の病状や治療方針に関しては担当医が一番よくわかっているので、担当医に相談するのが一番であるけれども、医師と話せる時間は限られているし、次の予約まで待てない場合もあります。そのようなときのためにがん相談の窓口があるのでどんな悩みでも投げかけてみることができると言及されている点もよいと思いました。治療を受けている病院にも相談窓口があると思います。ない場合にも、がん拠点病院にはがん相談支援センターがあり、以下のサイトから検索できますので、ご活用下さい。
https://hospdb.ganjoho.jp/kyotendb.nsf/xpConsultantSearchTop.xsp

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