ゆるやかな坂道歩行で“糖尿病リスク低下”(日本テレビ系(NNN))
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Yahoo!ニュース 2017.05.10 UPDATE
坂道を歩くと、比較的症状が重い糖尿病になるリスクが低下することが分かった。 東京医科歯科大学の藤原武男教授らのグループは、愛知県知多半島に住む高齢者約8900人のデータをもとに、地域の坂道と住人の糖尿病リスクの関連を調べた。その結果、自宅近くにある坂道の平均傾斜が1.48度上がると、比較的症状が重い糖尿病になるリスクは18%低下することが分かった。
ヘルスナッジメンバーでもある東京医科歯科大学の藤原武男先生による研究結果です。原典はこちらです。
Fujiwara T et al. Is a hilly neighborhood environment associated with diabetes mellitus among older people? Results from the JAGES 2010 study. Soc Sci Med. 2017 Jun;182:45-51.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28412640
この研究では、愛知県知多半島に住む高齢者8,904人を対象に、自宅のある地域の坂道と糖尿病との関連を検討しています。横断研究といって、調査した時点での関連ですが、その地域に10年以上住んでいる人を対象とし、運動習慣や食習慣など、さまざまな他の因子の影響を考慮した上で分析しています。その結果、自宅のある地域の坂道の平均傾斜が1.48度上がると、比較的症状が重い糖尿病(HbA1cが7.5%以上、他の慢性疾患を有している場合は8.0%以上)になるリスクは18%低くなる、という関連性が認められました。
このような関連が認められた理由として、論文の中では、日常的に坂道を歩くことで無意識に筋力トレーニングをおこなっているような状態になること、坂道が多いことで自転車を利用せずに歩くようになること、坂道の多さは景観の良さを反映していて、そのことで高齢者が歩くようになることが挙げられています。ただし、坂道の多さと歩行時間との関連は認められなかったことも報告されています。
まだ今後の追加検証が必要な段階ではありますが、とても興味深い研究結果です。「坂道は嫌だなぁ」と思わず、積極的に坂道を選んで歩くといいですね。もちろん、階段利用などでも同様の効果が期待できます。
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