認知症・MCI早期発見テスト「あたまの健康チェック」とは?
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認知症ねっと 2017.05.28 UPDATE
最近物忘れがひどいと感じていませんか?もしかすると認知症の前段階であるMCI(軽度認知障害)かもしれません。 MCIの段階で早期発見ができれば、治療効果・発症の遅延効果が高いとされています。
”97%の正確性!
米国国立老化研究所が推奨する国際的認知症診断ツールであるCERADバッテリーをベースに米国Medical Care Corporation社が研究・開発した認知機能チェックテストであり、米国内で行われた正確性検証の結果、97%の高精度で判別することが確認されました。その精度の高さから、アメリカでは2,500人を超える医師が利用する最も一般的な検査方法となっています。
また、日本国内でも福岡大学研究グループによる同様の検証が行われ、同等の96%の精度が確認されており、日米両国でその正確性が証明されています。”
これはひどい・・・・
ネットメディアは、WELQ事件を踏まえてないですね・・・
これもまた、医療ネタで不安をあおって商売をするサイトじゃないかなと感じました。
「高精度」ということですが、なんのことでしょうかね。
通常、検査の精度は、感度と特異度、という指標でその精度を議論します。
精度、という指標はありません(苦笑)
同じく、太鼓持ちをしている以下のサイトから推定するに、この97%とか96%は、感度のことでしょうね。
http://wakarukaigo.jp/archives/5570
念のために付記すると、このサイトが根拠文献としている以下には、感度や特異度の議論はなさそうです。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=16286549
感度を97%という意味は、見逃しが極めて少ないという意味です。
それは実はとても簡単です。
検査の結果、ほとんどの人に対して、「あなたは認知症の可能性がありますね」と答えればいいのです。
さて、そうすると何が起きるでしょうか。
わざわざ3000円払って電話をかけてきたほとんどの人は、医療機関で精密検査を受けるでしょう。
その結果ほとんどの人が「認知症ではないです」と言われるでしょう。
病気は見逃すと訴えられたりしますが、過剰に「病院行ったほうがいい結果です」と言っておけば、まぁ無難です。
「病院ではなんともないといわれた、時間とお金の無駄だった!」といわれても「スクリーニングですからそういうこともあります。認知症じゃなくてよかったですね」と言っているのでしょう。
ちなみにこの広告サイトはネット上にほかにもあります。
http://wakarukaigo.jp/archives/5570
http://nouvelles.wp-x.jp/ninchisyo-mci-kensa/
http://ibiki-byebye.com/ninchisho-mci-test-application
https://info.ninchisho.net/mci_check
困ったことに、函館市が市として利用しているようです。。。
https://info.ninchisho.net/archives/11044
これ以上、利用してしまう自治体が増えないことを願います。。
ご自身の自治体が利用を推奨していたら止めるように電話してあげたほうがいいと思います。
個人レベルでお金が無駄なだけではなく、社会として医療資源の無駄遣いです。
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izumiyoko
先生のご指摘、勉強させて頂きました。
これは記事広告のようですので景品表示法もしくは薬機法違反ということになりそうですね。
他方、軽度認知障害認定サービスそのものは、本当に行き過ぎの実態があるのでしょうか。
もし実態確認をされずにこのコメントを掲載されているとしたら、後半は、サービス会社や函館市への根拠なき悪口、つまり誹謗中傷になっておられるように感じます。
私は認知症の親を介護しているので、精神科へ親を連れて行かずに一次的な判定をしてもらえるこのサービスは貴重と感じます。うちは親が精神科へ行くのを拒んだため、認知症の周辺症状の治療がなされないまま、親が介護施設から飛び降りてしまいました。
このサービスを運営している会社には、広告の記載については厳重注意が必要と思いますが、サービス自体に問題がなければ是非続けていただきたいと思います。
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