HIV郵送検査の陽性者、その後の受診確認は2%
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Yahoo!ニュース 2017.06.10 UPDATE
民間会社が実施するエイズウイルス(HIV)の郵送検査を2015、16年に受けて「陽性」と判定された248人のうち、医療機関の受診を確認できたのは6人(2%)にとどまることが、厚生労働省研究班の調査でわかった。HIV感染の診断には、医療機関での検査が必要で、専門家は「受診して確認と治療を」と呼びかける。7日までHIV検査普及週間。
このニュースをさらに引用している他のサイトをみると、「HIV検査で陽性だった人の2%しか病院に行ってない」と衝撃的な内容になっているものもありました。
新聞記事を読む限りは、HIV検査を受けて陽性だった248人のうち、医療機関をその後受診したかどうか確認していない検査会社が多く、確認している会社では6人が受診していた、ということなので、残りの98%の人が受診せずに放置しているというわけではないようです。ただ、何となく記事の内容もあやふやな部分もあり、またもとの情報を詳しく調べようにも研究者や研究班の名前もなく、論文や報告書へのリンクもないので、誤解されるのも仕方ないのかなと思います。
調べてみた限りでは、以下の2つのサイトに載っている研究が、少し年度が古かったり内容が異なったりするものの、今回の研究班の報告と同じようなものだと思うので詳しく知るうえでは参考になると思います。
「HIV 郵送検査の現状と展望」
http://jaids.umin.ac.jp/journal/2015/20151703/20151703138142.pdf
「HIV郵送検査の在り方とその有効活用に関する研究」
http://www.msm-japan.com/gallery/wp-content/uploads/2016/07/H27_2%E5%88%86%E6%8B%8510_HIV%E9%83%B5%E9%80%81%E6%A4%9C%E6%9F%BB%E3%81%AE%E5%9C%A8%E3%82%8A%E6%96%B9%E3%81%A8%E3%81%9D%E3%81%AE%E6%9C%89%E5%8A%B9%E6%B4%BB%E7%94%A8%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E7%A0%94%E7%A9%B6.pdf
同じ研究者・研究班で作ったと思われるサイトがあり、詳しくわかって良さそうな感じです。
HIV検査相談マップ
http://www.hivkensa.com/
検査を受けることにも抵抗があるでしょうから郵送で検査できるのは便利ですよね。ただし郵送であれ病院であれHIV検査は100%正確な検査ではありません。感染していないのに検査が陽性と出てしまう偽陽性は結構あり、特に妊婦健診などで問題となります。検査が陽性だとしても必ず次の詳しい検査へ進んでください。また、治療の無い、必ず死んでしまう病気だというイメージを持っている方もいますが、ちゃんと治療できます。薬をちゃんと飲めば多くの人は普通に生活できます。こういった重要なことを対面ではない検査でどの程度ちゃんと伝えたり相談に乗れるのかが大事なのかもしれません。
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