フライドポテトの「残念な事実」が明らかに 早死にリスクが2倍に

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favicons?domain=headlines.yahoo.co Yahoo!ニュース 2017.06.30 UPDATE

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体に悪いと分かっていても、おいしくて大好きだという人が多いフライドポテトに関する残念な事実がまた一つ明らかになった。長年にわたって食べ続けると、早死するリスクが高まるというのだ。

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今村文昭

ケンブリッジ大学医学部 MRC疫学ユニット

フライドポテトを摂取している人ほど死亡率が高いというアメリカで行われた研究の記事です。

概ね良い記事だと思います。フライドポテトを頻繁に食べる生活習慣や健康への関心の度合いが死亡率の高低に関係していると考えられます。そうした問題点にも触れた上でフライドポテトの何が悪いかと考えてみるのも良いでしょう。

気になる点が2つ:

1)
タイトルの「早死にリスクが2倍に」という表現は好ましくありません。
「フライドポテトを摂取している人ほど死亡率が高い」という表現と、
「フライドポテトを摂取すると死亡率がX倍になる」という表現は、
天と地ほどの差があります。前者は相関関係を述べた表現、後者は因果関係を述べた表現です。この研究からは因果関係は言えないので前者の表現が正しいです。

文中にも「リスクが高まる」という表現がありますが、こうした表現は誤りで避けなくてはなりません。専門家でも時にこうした表現を混同する事があります。読む時も書く時も気をつけたいところです。

2)
文中にランダム化比較試験は非倫理的でできないと記載されています。それは断言できません。

この記事を書いた方は、ある集団にフライドポテトを「食べてもらう」「食べてもらわない」という比較を考え非倫理的と述べています。

しかし、フライドポテトをたくさん日常的に食べている人を対象に「そのまま食べ続けてもらう」「食べるのを止めてもらう」という比較は倫理的に問題ありません。また広い地域を対象に無作為に選んだある区域ではフライドポテトの「価格を上げる」「価格を変えない」という試験も倫理的に問題ありません。

死亡率を検証する臨床試験は確かに困難です。しかし、その実施が困難な理由はこの記事で著者が述べている倫理的な要因が問題ではない事に要注意です。また血圧、血中のコレステロールといった死亡率と関係する因子を検証する試験でしたら十分可能でしょう。

そして本当にその臨床試験に医学的に価値が倫理審査を基に認められれば、例え悪影響を与えるとしても臨床試験は可能です。実際にフライドポテト、トランス脂肪酸、ソフトドリンクの検証などの臨床試験がこれまで実施されています。

「身体に悪い因子については臨床試験できない」と考えがちですが、それは一概には言えないということですね。

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