血液1滴、がん13種早期発見…3年めど事業化

病気・医療

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favicons?domain=yomidr.yomiuri.co ヨミドクター 2017.07.26 UPDATE

国立がん研究センター(東京都)などは、血液1滴で乳がんなど13種類のがんを早期発見する新しい検査法を開発し、来月から臨床研究を始める。同センターの研究倫理審査委員会が今月中旬、実施を許可した。早ければ3年以内に国に事業化の申請を行う。

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伊藤ゆり

大阪医科大学 研究支援センター 医療統計室 室長・准教授 博士(保健学)

がん検診は大腸、胃、肺、乳房、子宮頚部とそれぞれの部位のがん検診をうける必要がありますが、それをたった一回で、しかも血液一滴で13種類ものがんの検査ができるなんて夢のような技術です。これまで痛い思いや大変な思いをして、時間もかけていたことが一瞬で・・・。本当に早く実現してほしいですね。

ただ、ここで注意してほしいのは今回のこれまでの研究でわかったのは、がんでない人とがんの人の区別を95%の確率で正しくできたということです。がん検診の検査では、診療現場での検査との違い、正確に診断できるということに加え、その検診を受けることで、そのがんの死亡率を減少させることができるかどうかの評価が必要になります。

そのためには、がんになっていない一般住民を対象として、この血液一滴の検診を受診したひととそうでない人(通常の検診を受診した人)と比べて、がんで死亡した人がどちらが多いかという評価が必要で、通常10年以上の調査機関を必要とします。ですので、今回スタートする臨床研究により、3年で住民を対象としたがん検診として事業化するのは時期尚早ではないかと思います。早ければ3年後にこの検査が住民を対象としたがん検診として死亡率を減少させる効果があるかどうかを調べるための、研究事業を行うということなのではないかと考えます。

日本発の新しいがん検診をきちんと研究事業として実施できるように、例えば、検診データベースとがん登録や死亡情報データベースが連結できるような体制整備が必要です。これからの展開に期待したいと思います。

ですので、この記事を読んであと3年待てば楽な検診が始まるから、今の検診は受けないでおこう~と思わずに、国が推奨するがん検診をきちんと受診してくださいね。

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