がんの「代替医療」、標準治療より死亡率高い 米研究
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AFPBB News 2017.08.19 UPDATE
代替医療を選択したがん患者の死亡率は、標準治療を選択した患者より最大で5倍程度高くなるとする研究結果を、米エール大学医学大学院(Yale University School of Medicine)のスカイラー・ジョンソン(Skyler Johnson)氏らの研究チームが発表した。
この記事のもとになっているAFPの英文記事は以下のものだと思います。
https://au.news.yahoo.com/a/36765656/death-rates-far-higher-for-alternative-cancer-cures-study/
論文の全文を以下のサイトで読むことができます。Health nudgeの記事を書くためには本来この論文自体も時間をかけてちゃんと読まなくてはならないと思いますが、今回は流し読みしただけです。また僕自身は普通の内科医で癌の専門家や代替医療の専門家ではありません。
https://academic.oup.com/jnci/article/110/1/djx145/4064136/Use-of-Alternative-Medicine-for-Cancer-and-Its
医学誌といってもその質はピンキリだったりしますが、この論文が掲載された雑誌がどのくらいちゃんとした雑誌なのか、という点については、Impact factorという指標があります。癌領域の主要な医学誌217のうち9番目にImpact factorが高いという点では、そこに掲載されたこの研究の意義や信頼性は結構高く評価できるかもしれないと思います。
この研究では代替医療は、効果が証明されていない治療で医療者以外が行うもの、となっているようです。サプリメントとか、伝統医学とか様々なものを含んでいるようです。最近話題、というか批判されることの多い免疫療法は今回は代替にも標準にも含まれていないようです。
標準治療を受けずに代替医療を受けた人は、高齢だったり、他に重い持病があったり、癌が進行したりして条件が不利だったから、死亡率が高かったのでは、という突っ込みは当然あると思います。ただし、今回の研究では統計学的にある程度そういった条件の違いを補正しているので、結構信用できる結果だと思います。
もちろん研究対象となった人数もすごく多いわけではないし、患者さんのあらゆる細かいデータを調べているわけではないし、2つの治療法の良し悪しを決める最も信頼度の高い無作為化比較試験というタイプの研究ではないのですが。
抗がん剤や放射線や手術などのがんの治療が昔と比べて、効果が高く、副作用が少なく、科学的根拠もちゃんとしたものになってきているので、基本的には標準治療を受けたほうがいいということだと思います。
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