<重い精神疾患>22年短命に 東大チーム調査
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yahoo!ニュース 2017.08.26 UPDATE
重い精神疾患の人は一般の人と比べて心筋梗塞(こうそく)などの心血管疾患と自殺で亡くなるリスクが高く、平均で22年短命になっているとの調査結果を、東京大病院の近藤伸介助教(精神神経科)らの研究チームが英国の精神医学専門誌に論文発表した。国内でのこうした調査は初めてで、英国や北欧の調査結果と傾向が一致しているという。
精神疾患、といってもいろいろありますし、その重症度も様々です。精神疾患と直接関連しそうな自殺だけが原因というわけではなく、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患や、糖尿病などの生活習慣病などにもかかりやすく、死亡率が高いといわれています。もちろん体の持病があることで後から精神疾患を発症した人も含まれるのかもしれません。
短命である理由として記事にある以外で大事だと思うのは、精神疾患のない人と同じような医療を受けられていないかもしれない点です。精神疾患のある人の中には自分の健康へ注意を払うことが難しかったり、検査や治療を受けたがらない人もいます。精神科の医師にはそれほど体の病気に詳しくなかったり関心がない人もいます。精神科以外の医療スタッフは精神科の患者さんに慣れていなかったり、苦手意識を持っていることもあります。
論文は英語ですが、全文が読めます。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5553043/
日本語でプレスリリースが出ているので記事よりも詳しく知りたい人は東大病院のHPからPDFで読むことができます。
http://www.h.u-tokyo.ac.jp/press/press_archives/20170810.html
論文はshort reportというわずか3ページの短いものであり、対象とした患者数も254人と少なく、掲載された雑誌も特にレベルの高い雑誌というわけではなく、研究の質が高いわけではないのでこの結果の解釈には慎重であるべきですが、非常に重要でインパクトのある論文であり、この格差がなくなるようにいろいろやっていかないといけないですね。
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