ピロリ除菌で使われる胃薬PPIで、実は胃がんリスクが上昇するという矛盾!
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HealthPress 2017.11.28 UPDATE
胃がんの原因として知られているヘリコバクター・ピロリ菌(H. pylori)を除菌した後であっても、胃痛や胸焼けの治療に用いられるプロトンポンプ阻害薬(PPI)を長期的に使用すると胃がんリスクが上昇する可能性があることを示した研究結果が「Gut」10月31日オンライン版に掲載された。 ピロリ菌を除菌した6万人超のデータ解析で、PPIの使用で胃がんリスクが約24倍となることが示唆されたという。
胃がんの原因の大半はピロリ菌の感染と言われています。そのピロリ菌を除菌した後の胃がんの発生について調べた論文を紹介した記事です。
この記事の元となった論文(英語)は以下の通りです。
KS Chung et al. Long-term proton pump inhibitors and risk of gastric cancer development after treatment for Helicobacter pylori: a population-based study. Gut (in press)
http://gut.bmj.com/content/early/2017/09/18/gutjnl-2017-314605
注目すべきは、7-8年で0.2%ぐらいの人に胃がんが発生しているという事実でしょう。ピロリ菌を除菌したら胃がんになる可能性は減りますが、ゼロにはなりません。そのため、除菌後も胃がん検診を受けたほうが良さそうです。
研究では、PPIという胃薬を長期で使っている人では胃がんのリスクが高いとあります。ただ、記事にもあるようにPPIの使用をすぐに止める必要は無さそうです。というのも、除菌してそもそもの胃がんリスクが下がっていること、PPIは胃酸を抑えるのに優れた薬であること、PPI自体で胃がんになりやすいのかPPIを続けざるを得ない人が胃がんになりやすいのか不明であることなどから、一度主治医と相談してみるぐらいで良いと思います。
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