ピロリ除菌で使われる胃薬PPIで、実は胃がんリスクが上昇するという矛盾!

病気・医療

  • 4,119
  • 3
  • 0

favicons?domain=healthpress HealthPress 2017.11.28 UPDATE

15118514365RdwUih8cU

胃がんの原因として知られているヘリコバクター・ピロリ菌(H. pylori)を除菌した後であっても、胃痛や胸焼けの治療に用いられるプロトンポンプ阻害薬(PPI)を長期的に使用すると胃がんリスクが上昇する可能性があることを示した研究結果が「Gut」10月31日オンライン版に掲載された。  ピロリ菌を除菌した6万人超のデータ解析で、PPIの使用で胃がんリスクが約24倍となることが示唆されたという。

記事全文を読む

14473235612ffcdccd137cf89b3ff1a78dd139aa76

尾瀬功

愛知県がんセンター研究所 疫学・予防部 主任研究員 医師 博士(医学)

 胃がんの原因の大半はピロリ菌の感染と言われています。そのピロリ菌を除菌した後の胃がんの発生について調べた論文を紹介した記事です。

 この記事の元となった論文(英語)は以下の通りです。
KS Chung et al. Long-term proton pump inhibitors and risk of gastric cancer development after treatment for Helicobacter pylori: a population-based study. Gut (in press)
http://gut.bmj.com/content/early/2017/09/18/gutjnl-2017-314605

 注目すべきは、7-8年で0.2%ぐらいの人に胃がんが発生しているという事実でしょう。ピロリ菌を除菌したら胃がんになる可能性は減りますが、ゼロにはなりません。そのため、除菌後も胃がん検診を受けたほうが良さそうです。
 研究では、PPIという胃薬を長期で使っている人では胃がんのリスクが高いとあります。ただ、記事にもあるようにPPIの使用をすぐに止める必要は無さそうです。というのも、除菌してそもそもの胃がんリスクが下がっていること、PPIは胃酸を抑えるのに優れた薬であること、PPI自体で胃がんになりやすいのかPPIを続けざるを得ない人が胃がんになりやすいのか不明であることなどから、一度主治医と相談してみるぐらいで良いと思います。

  • 3
  • /
  • 専門家のいいね!2
  • 1427344422d36e8d6c3a5b5376f503a0a14d955d73
  • 1427876233535b13b1fccb357df853584f7cfae900
  • 1451448995kXg5b2uZw1

この記事へのコメント

コメントする

この記事の関連キーワード

この記事と関連する記事

会員登録が必要です

すでに登録済みの方はこちら

ログイン

まだ会員になっていない方はこちら

ユーザ登録

コメント編集(管理者用)

コメントを削除

キャンセル

Facebook連携


閉じる

このコメントに関する
問題の内容を選択してください





送信

送信完了

閉じる

コメント編集

会員登録が必要です