ノーベル賞受賞で相談殺到 誤解してほしくない免疫療法
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BuzzFeed News 2018.10.16 UPDATE
その研究成果は、免疫療法の一種であるオプジーボなどの「免疫チェックポイント阻害剤」開発に結びつき、がん治療に新たな道を開いたと華々しく報じられた。 ところが、研究成果や受賞会見の報道で、患者を含めた一般の人に、免疫療法に対して危うい誤解が広がっているのではないかという懸念が患者団体や医療者からあがっている。 患者団体代表やがん治療に詳しい腫瘍内科医に、気をつけるべきポイントを伺った。
本庶先生のノーベル賞受賞で、「免疫チェックポイント阻害剤」が注目されています。簡単に略すと「免疫療法」と呼ばれることもあるのですが、「免疫療法」をうたっている治療では効果が検証されていない眉唾モノの治療もあります。
がんのみならず多くの新薬(医薬品開発)は、科学的な手順を経て、長い時間をかけて効果が証明されて初めて保険が適用
される「標準治療」となります。
高額な自由診療で行われる「新しい治療」の方が「高価だし最新だし“標準”よりもいいに違いない」と錯覚してしまうかもしれませんが、まだ効果が証明されていない治療なので、効くのかどうかもわからない治療法です。
通常、開発段階の新しい薬は「研究として」治療が行われていますので、患者さんに多額のお金を負担してもらうことはありません。ですので、勝俣先生がこの記事の中でコメントされているように、
1.保険がきかない自由診療であること
2.患者の体験談が載っていること
3.「副作用が少ない」「がんが消える」などネットで効能効果をうたっていること
の治療法はまず疑ってください。
実際、この手のお金儲けのためのクリニックは非常に広告費にお金をかけており、検索エンジンでこの手のものが上位にならないような取り組みが進んできた今でも、「免疫療法」「末期がん」などのキーワードで検索すると上位に紛れ込んできます。
ご自身ががん患者である場合、そのご家族である場合、ご友人である場合、様々なシチュエーションでその患者さんのことを思って、このような検索をされることと思います。しかし、まさに弱みに付け込むような悪質なビジネスにどうぞひっかからないように、してほしいと思います。そして、早く法的な取り締まりがなされるよう願ってやみません。
私たちに必要なのは医療情報を正しく見極めるリテラシーなのだと思います。自分には関係ないと思わずに、ぜひ多くの方に一読してほしい記事です。
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