オーガニック食品でがんのリスクは減るか
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東洋経済オンライン 2018.11.21 UPDATE
オーガニック食品を買う人は、それが健康にいいと信じて高いお金を払っている。しかしこれまでは、オーガニック食品が本当に体にいいのか、証拠は示されていなかった。 だが、フランスで行われた研究で、オーガニック食品をよく食べる人はまったく食べない人に比べて、がんの罹患率が25%低いということが示された。これは約7万人の成人を5年間継続的に調査した結果、報告されたものだ。オーガニックの果物や野菜、乳製品、肉などをよく食べている人は、特にリンパ腫にかかる割合が低く、また閉経期乳がんにかかる割合も、著しく低かった。
オーガニック食品(有機農業食品、農薬や化学肥料を使わない食品)を多く食べている人はがんになりにくいとする研究を紹介した記事です。
元の論文は https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2707948 (英語)
論文に専門家がコメントを寄せているように、この研究だけではオーガニック食品がいいのか、単に普通の野菜をもっと食べるのがいいのかわかりません。野菜をたくさん食べることが体にいいのは確実なので、とりあえず野菜を食べましょう。
さて、日本では食事にさえ気をつければ、大抵の病気にはならないと思っている人が多いです。しかし、食事による予防の効果は思われているほどではありません。日本人について行われた研究を元に、がんの原因の割合を推定した論文(https://academic.oup.com/annonc/article/23/5/1362/193991)では、
過剰な塩分 1.6%
果物不足 0.7%
野菜不足 0.6%
とされています。つまり、日本人全員が理想の食事をすれば、がんが2.9%ぐらい予防できそうですね。これはたばこ(19.5%)、お酒(6.3%)などと比べるとそれほど大きくはありません。健康を考えるときには1つのことにこだわるより、バランスをとったほうが得られる効果は高くなりそうです。
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