肺疾患「たばこ病」、国内に530万人 自覚ない人多く

健康・予防

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favicons?domain=gooday.nikkei.co 日経gooday 2019.01.15 UPDATE

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喫煙などが原因で呼吸機能が低下するCOPD(慢性閉塞性肺疾患)。症状が進むと日常生活に支障が出るだけでなく、死亡する危険もある。適切な運動をしたり食事に気を配ったりすることで呼吸困難などの症状を抑えることができ、患者だけでなく周囲を含めた取り組みが大切だ。

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田淵貴大

大阪国際がんセンターがん対策センター 疫学統計部 副部長 医師 博士(医学)

COPD(慢性閉塞性肺疾患)という名称は、一般の方には分かりにくいため、「タバコ病」と呼ばれます。他にも咽頭癌や喉頭癌など、たくさん「タバコ病」はあるのですが、COPDという病気は典型的なタバコ病です。タバコがこの世になければ、誰もこの病気にならなかったであろう、というレベルで、タバコが原因のほぼ全てを占めます。
 しかも、COPDの何が問題かというと、「苦しい」のです。肺が全体的に壊れてしまう病気ですから、息苦しさがずっと続くこととなります。根本的な治療法はありませんから、予防することが重要です。
 予防する上で重要な考え方は、「メカニズムや詳しいことが分かっていなくても、予防できる」ということです。タバコの中のどういった化学物質が肺胞のどの細胞にどんなふうに影響しているのか、全く理解していなくとも、予防はできるのです。
 予防方法はある意味簡単です。禁煙すること、タバコの煙に曝露されることを防ぐことです。現在の日本にはタバコを吸っている人がまだ成人の約20%もいて、飲食店は全面禁煙ではない場合が多いですから、予防するのはある意味ではとても難しいですね。
 タバコの煙を社会的に防ぐ取り組みとして、最近、法律が改正されました。健康増進法において、公共的空間は原則的に屋内禁煙とすることが求められます。社会的取り組みとしても屋内禁煙を進めて、タバコの煙の害を減らすことが期待されます。
 個人的な禁煙を推奨し支援することとともに、社会的にも禁煙しやすい環境が整備されていっています。COPDはとても苦しい思いをすることとなる「タバコ病」ですから、是非予防してほしいと願っています。
 

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