体が硬い人は、血管も硬い?
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日経gooday 2019.02.18 UPDATE
【問題】心疾患や脳血管疾患の背景にある動脈硬化。文字通り、動脈の血管が硬くなることです。では、体の硬い人は、動脈硬化が進んでおり血管も硬い。これってホント? ウソ?
興味をそそる記事タイトルで、つい私も見てしまいました。もと記事はこちらだそうです。
https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/14/091100031/013100551/?P=3
参考文献の提示がされていたのは、とても良いことで、さらっとですが、有難く元データを拝見することができました。今回の記事では、「体が硬い人は、血管も硬い?」ということに関しては、ある程度正しそうです。
しかし、元記事の「ストレッチが動脈硬化の改善につながる可能性」は少し表現が言い過ぎかもしれません。「可能性」という表現がついているだけ良いかもしれません。
というのも、体の柔軟性低下→動脈硬化というのは、参考文献を見た範囲では言い切れないからです。下記の文献がそうですが、あくまで相関関係しか見ていないため、「体が硬い人が、血管も硬い」ということしか言えず、「体が硬いことが、動脈硬化を引き起こしている原因」というには、今回の研究では様々な要因により言えず、更なる検討が必要になります。例えば、これは「体の柔軟性低下」と「動脈硬化」の共通原因の運動習慣が影響している可能性が高いです。つまり、ふだん運動していないと、体の柔軟性も低下するし、動脈硬化にもなりやすいという解釈に止まるでしょう。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19666849
また「5種目のストレッチを1回10分間、1日2回続けてもらいました。4週間後にPWV検査(動脈硬化の進行度を測定する検査法の1つ)をすると、期待通り動脈硬化が改善していたそうです。」という部分ですが、こちらは学術誌に掲載されていない「未発表データ」であるため、まだ信頼して良い段階ではないでしょう。
ただストレッチ自体はその他にも様々な効果が望め、また、することによる弊害は少ない安全な対策でもあるので、する分には問題ないでしょう。ただ、動脈硬化を改善するために、ストレッチをするというのは、まだ期待して良い段階ではないと思います。ただ、もしこれが信頼性の高い研究によって検証されたら、興味深い知見だなと思っています。
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