「認知症を治す薬」、平成には間に合いそうにないけれど…
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ヨミドクター 2019.02.27 UPDATE
私は現在、アリセプトとメマリーというアルツハイマー病の薬を飲んでいます。どちらも認知症を治すことはできないのですが、進行を遅らせる効果があるといわれています。 これらの薬を飲むと、眠っている間、ずっと夢を見るのです。お陰で、いくら睡眠を取っても全く休んだ気がしないのですが、薬の効果で脳の働きが活発になっていると考えると、やっぱり薬はやめられません。
44歳で認知症と生きる丹野さんの手記です。丹野さんの言葉にはいつも励まされます。
認知症は、社会が作る病気、という側面があります。記憶力が低下していても、安心して自立して生活できる地域社会があれば、病気と名付ける理由がなくなります。薬の処方だけでなく、そういう地域社会を”処方する”という考え方はとても大切だと思います。自立というのは、誰にも頼らないということとは違うと思います。必要なだけの頼れる相手や組織とつながり、日々の暮らしのなかで、自身の思うように決定して行動し、実現していけることが、自立ということなのかなと思います。
「人とのつながりによって、私の行動範囲は広がり、「自立」がむしろ進んでいるのです。」
「もちろん私も新薬の誕生を願っていますが、いつできるか分からない薬をただ待つのではなく、認知症になっても安心して暮らせる社会をつくっていきたいと考えるようになりました。」
「認知症でなくても、年を取れば記憶は悪くなるのだから、病気を治すのに固執することにどれだけの意味があるのかな……とも感じています。それよりも、認知症の人が物忘れをしても大丈夫なように世の中の仕組みを変えていけば、誰もが安心して老いることができるようになるのではないでしょうか。」
とても示唆のある、グッとくる言葉たちです。
「認知症の社会的処方箋」という報告書を日本医療政策機構などが出版しています。ご一読ください。
リンク(無料):https://hgpi.org/wp-content/uploads/%E7%99%BD%E6%9B%B8_%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E7%89%88_FINAL171030.pdf
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