がんになるリスクを下げる5つの食品

食事

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favicons?domain=diamond DIAMOND Online 2020.03.31 UPDATE

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「糖質を摂取しなければがんが小さくなる」、 「にんじんジュースには抗がん作用がある」、 「血液クレンジングはがん予防に有効」……。 インターネットにあふれているこのような話は、明確な効果が期待できません。しかし、これらを信じてしまい、、、

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今村文昭

ケンブリッジ大学医学部 MRC疫学ユニット

私は栄養の摂取と健康との関係を研究する栄養疫学という領域にて10年以上研究を続けています。

残念ですが・・
がんのリスクを下げると
証明されている食品はありません。

記事には玄米についての記載があるのでその例をとりたいと思います。まず玄米とがんとの関係をみた研究はそもそも数が多くありません。

アメリカの三つの集団で調べられた論文では、玄米をより多く食べている人とそうでない人とで相対的にがんのリスクに差は認められませんでした(註1)。そして大腸がんとお米の摂取(白米+玄米)に関係が認められないことも同論文で報告されています。

日本での玄米とがんの同等の疫学研究は私の知る限りありません。しかしお米全般についての検討では大腸がんとの関係は認められていませんでした(註1)。総じて現在のところ玄米の摂取が大腸がんの予防に効くという証明はおろか、(白米と置き換えて)リスクを下げる可能性があるともいえそうにありません。

食物繊維の利点に関するエビデンスが比較的、強いため、玄米にも期待したいところですが、それは憶測に過ぎず科学的に正しいとはいえないのです(註2)。むしろ、「玄米を摂取している人ほど健康志向なはずなのにも関わらず相関関係すら認められない。予防効果は期待できそうにない。」と考察する方が科学的には賢明ではないでしょうか。

解説は異なるものの魚やナッツ、野菜・果物、オリーブ油についてがんの予防効果が証明されているとはいえません。記事内で掲載された論文のみでは「リスクを下げる可能性がある」というメッセージすら不適切になり得ます(註2)。そのために栄養学・疫学の双方に通じた専門家が認めうる「正しい」情報が提供されているのか懸念を禁じえません。

こうした記事へのコメントは心苦しいばかりですが・・過去の多く食事に関する情報と同じように、科学的な妥当性、利益相反の可能性等を含めてどうぞご注意ください。

註1)
アメリカの研究:Zhang et al., Int J Cancer, 2016, DOI: 10.1002/ijc.29704
日本の研究:Abe et al., Br J Cancer. 2014 doi:10.1038/bjc.2013.799

註2)
『「良い食品、悪い食品」という単純化は勧められない』
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/13855
(主題のとおりですが・・例としてオリーブ油、玄米に関する情報の解釈が挙げられています。解釈例としてご参照ください。)

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