肥満児の親の多くが「自分の子どもの体重は適正」と考えている |
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Medエッジ 2015.05.24 UPDATE
(2015年5月21日 Medエッジより) 肥満児の親の多くが自分の子どもの体重が適正だと考えていると分かった。 米ニューヨーク大学医学部のダスティン・ダンカン氏らの研究グループが、小児肥満の専門誌であるチャイルドフッド・オベシティ誌において2015年5月6日にオンライン報告している。 子どもの肥満度をどう見ているか? 研究グループは全米健康栄養調査のデータを分析し、1回目は1988年から1994年にかけて3839人、2回目は2007年から2012年にかけて3151人の子どもを対象に調査を行った。 親に対しては、自分たちの子ども(2歳から5歳)が太り過ぎであると思うか、やせ過ぎであると思うか、適正体重であると思うかについて質問を行った。
人間には「過信をしてしまう」という認知バイアスがあります。これまでの研究では、自動車を運転する人の95%が自分の運転は平均より上手いと考えていたり、実際は7割程度の正解率だった単語テストや地理テストに100%の自信を持っていたり。この記事の親の反応もそんな認知バイアスのひとつで、「ほかの子供も太っているから大丈夫」という安心もあったでしょう。
ひとつの健康問題には、いろいろな要因が絡んでいます。この記事でいうと、認知バイアスに加え、「アフリカ系米国人で低収入」という社会経済的階層、「肥満は伝染する」という社会的ネットワーク、医師と親のコミュニケーションなど。日本でも、社会経済的階層(収入や教育歴、職業階層)が低いと健康状態がよくない、という健康格差があります。社会経済的格差などの大きな要因を今すぐ変えるのは難しいですが、例えばこの記事にもある「テレビを見る時間を減らす」など、要因と結果のリンクを断つ具体的で現実的な方策が明らかにされていくことに、希望を見出したいですね。
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