糖尿病は贅沢病ではなく"貧困病"だった 格差が広がる日本の未来はどうか?

健康・予防

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favicons?domain=healthpress HEALTH PRESS 2015.06.23 UPDATE

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(2015年6月23日 HEALTH PRESSより) 十分な食費を確保できていない2型糖尿病患者は、食事の心配のない患者に比べ、良好な血糖コントロールができていないことが新たな研究で判明した。糖尿病に関する教育では、健康的な食事についてだけでなく、食べ物の入手のしやすさについても議論する必要があると、研究著者である米エモリー大学糖尿病教育訓練学会のBritt Rotberg氏は述べている。

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近藤尚己

東京大学 大学院医学系研究科 健康教育・社会学分野 保健社会行動学分野 准教授 医師 社会疫学者

経済的な豊かさと健康は密接に関係しています。衣食住に事欠くような状況がほとんどなくなるくらいに国が豊かになると、贅沢病だった糖尿病も「貧困病」に転換します。お金がなく、社会から孤立しがちなストレスフルな状況のために、まっとうな栄養管理をしにくくなるからです(このように豊かさの向上に伴い病気の状況が変わることを疫学転換といいます)。

私たちの研究でも、低所得者ほど糖尿病の割合が高く、糖尿病と診断されており通院している人の中でも、低所得者ほど血糖値のコントロールがよくないことがわかっています。

記事の中の「日本では着実に経済的な格差が広がっている。」は、どういった格差を刺しているのかあいまいで、また客観的な根拠がありませんが、はるか昔に作られた社会保障の制度が現在の状況にそぐわなくなり、セーフティネットから抜け落ちて貧困化してしまっている世帯が目立ってきているのは事実でしょう(阿部彩氏「子どもの貧困」など読んでみてください)。今日的な社会保障のあり方が問われてます。

貧困や社会的な孤立は万病のもと。個人の努力だけに任せていては、本人が不健康で不幸になるばかりでなく、社会全体のコストも上がります。みんなで考えていきたい課題です。

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