最も不健康なのは運動不足や喫煙ではなく……「1人ぼっち」!?
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ITmedia ビジネスオンライン 2015.06.26 UPDATE
(2015年06月19日 ITmedia ビジネスオンラインより) 健康的に長生きする方法、それは禁煙だったり、食生活だったり、運動だったり、たくさんあります。でも、もっと大切な健康法があるって知っていましたか? 2015年3月、米ブリガムヤング大学の研究グループは、ある論文を報告しました。それによれば、最も長生きを妨げるものそれは「孤独」だというのです。 彼らは公表されているあらゆる研究論文を調査し、「寂しさを感じている人」、「社会的に孤立している人」、「1人で生活している人」と死亡率に関するデータを集めたのです。調査した人数は300万人に上るそうです。
日本の研究でも、社会参加の重要性が示されています。例えば、Kanamori et al. (Pros One, 2012) は、65歳以上の高齢者を対象とし、「スポーツ組織への参加の有無」と「週1回以上の運動実践の有無」を組み合わせた4つの集団を比較し、その後4年間の要介護認定との関連を検討しています。その結果、週に1回以上運動を実践していても、スポーツ組織に参加していない群は参加している群と比べて、要介護認定の割合が高まります。一方、スポーツ組織に参加していれば、週1回未満の運動実践でも、要介護認定の割合は高まりません。すなわち、運動実践よりもスポーツ組織への参加、すなわち社会的ネットワークの構築が重要であることを示唆しています。健康のための運動、だけでなく、人とつながるための運動、という視点でも、運動の重要性を理解していただけると嬉しいです。
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河合奈々
1人ぼっちが健康に悪いなんて……ためいき。
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中田由夫
筑波大学 体育系 准教授 博士(体育科学)
雑誌名の誤字訂正、ありがとうございました。
「運動が良いのか、人とつながることが良いのか」ですが、月並みな答えですが、「どっちも」だと思います。実際、運動をしていれば人とつながる機会が増えますので、よほどの人嫌いでなければ、運動することで社会的ネットワークは構築されていくと思います。
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坪谷透
東北大学大学院歯学研究科 助教、博士(医学)、医師
コメントされているのは、p"l"os oneのこの論文と思いますが、、、、
http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0051061
>「すなわち、運動実践よりもスポーツ組織への参加、すなわち社会的ネットワークの構築が重要であることを示唆しています。」
ということですが、となると、運動が良いのか、はたまた大切なのは運動ではなく、何でもいいから人とつながること、どっちなのだろうとふと気になりました。
確か、この金森論文では、「独りの運動では正の効果が無かった」と記憶しております。
だとすると、効果があるのは、(残念ながら?)運動ではなく、人とつながること?となるかなと。
ここら辺は、社会参加を、運動への参加で評価するのではなく、地域活動や婦人会など、他の方法での社会参加も考慮して検討してみたら面白いのかなと思った次第です。
もし上記のようなことがわかれば、運動でも運動以外でもとにかくまぁ何でもいいから、人と交流する機会を作りましょう、という政策につながるかなと。
時々お酒を飲むような人の方が将来的な健康アウトカムが良いというのも、そういう側面が表れているのでしょうね。
「人は一人では生きていけない」とはよく言ったものですね。
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