トランス脂肪酸との「賢い付き合い方」を学ぶ
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マイナビニュース 2015.06.25 UPDATE
(2015年6月24日 マイナビニュースより) 前回にトランス脂肪酸の危険性を再検討してみたところ、どうにも「センセーショナル」という言葉の「セ」の字もなくなってしまったわけですが、もし仮に規制が米国のみならず日本にも及んだ場合、私たちの生活にどのような影響が出てくるのでしょうか。
先日、トランス脂肪酸の記事『アメリカで規制される「トランス脂肪酸」、日本でも規制すべきか?』で頂いたコメントで、「トランス脂肪酸を規制した場合の負の効果も知る必要がある」とのご指摘が。
この記事は、トランス脂肪酸を規制した場合の負の効果について書いてくれています。
良い効果、負の効果を天秤にかけて、規制すべきかどうか議論する必要がありますよね。
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Junya Ono
確かにトランス脂肪酸自体が心臓疾患に影響を与えるという明確な根拠は実はいまだありません。さらに、発端となっているアメリカなどの疫学での心臓疾患に対するトランス脂肪酸の相対危険度は1.4以下のため、危険因子としては全く指定できないです。
ただし現在では水素添加された硬化油における有害因子の黒幕は、トランス脂肪酸ではなく、「ジヒドロ型ビタミンK1」であるという説の方が根強くなっています。ジヒドロ型ビタミンK1とは、油に含まれるビタミンK1が水素添加により変化してできた物質です。
ジヒドロ型ビタミンK1は人体には猛毒であり、出血性をあげ、動脈の石灰化を促進してしまいます。また、骨代謝にかかわるたんぱく質の活性化を阻害し、骨代謝に影響を与えることが人でも確認されています。
仮に水素添加した硬化油の長期的摂取によって心臓疾患が起きた場合、この原因はトランス脂肪酸ではなく、ジヒドロ型ビタミンK1の方が可能性として高いのです。
マーガリンやショートニングなどの主な有害因子はトランス脂肪酸ではなく、ジヒドロ型ビタミンK1です。トランス脂肪酸の有害性について議論するなら、ジヒドロ型ビタミンK1に言及せねば意味は無くミスリードになりかねません。
最近では、アメリカ栄養大学誌の発表(2015年3月)で、ラット実験によると、トランス脂肪酸を含んだ酸化・水素添加油は、用量依存的にアテローム性動脈硬化の増加に関わっているという論文があります。
Dhibi M1 et al.,Consumption of Oxidized and Partially Hydrogenated Oils Differentially Induces Trans-Fatty Acids Incorporation in Rats' Heart and Dyslipidemia.2015 Mar
Booth SL et al.,Effects of a hydrogenated form of vitamin K on bone formation and resorption.Am J Clin Nutr. 2001 Dec
反芻動物によるトランス脂肪酸を含んでいる肉・脂肪・乳製品には、ジヒドロ型ビタミンK1の含有はかなり少ないため安全といえます。
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