マンモグラフィー検診には廃止勧告も、スイス医療委員会「有益な効果認めず」
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Medエッジ 2015.07.06 UPDATE
(2014年9月19日 Medエッジより) 乳がん発見のためのマンモグラフィーによる定期検診の有用性に今疑問符が付いている。この5月には、有力医学誌で、スイス医療委員会が「マンモグラフィー健診は乳がんによる全死亡率を低下させない」と結論付けて、廃止勧告している。 これはスイス医療委員会の委員からなる研究グループが、今年、世界でもトップクラスの医学誌であるニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌で報告したもの。日本ではほとんど知られていないだろう。
マンモグラフィーをすることで乳がんによる死亡を減らせるという利益より、がんじゃないのにがんだと間違って診断して、大変な精密検査(しこりに針を刺して組織をつまんできて顕微鏡でみるなど)をするという不利益のほうが大きい可能性がある。しかも、多くの人はマンモグラフィーをすると乳がんをはやく発見できる、という点をかなり過大に評価しているなど、適切な情報提供がされていないなど問題が多いので、スイス政府はマンモグラフィによる検診を今後縮小していく可能性がある、という内容です。
興味深いのは、そういう政策をとるか否かについても「しっかり情報提供して、当事者に決めてもらう」という姿勢を貫いている点。当事者が関心を持って、議論をして決めていく、というのは素敵な考え方だなと思います。
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近藤尚己
東京大学 大学院医学系研究科 健康教育・社会学分野 保健社会行動学分野 准教授 医師 社会疫学者
男もしてもいいと思いますが、検診は一定以上の発生率がないとやっても害が多いため、まれな男性の乳がんを発見するためとしては男性がマンモグラフィーやるのはオススメできません。
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河合奈々
毎年やってました!痛いやつ。もうやりたくないです。涙
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AA
おとこの人はマンモグラフィーしないんですか?
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近藤尚己
東京大学 大学院医学系研究科 健康教育・社会学分野 保健社会行動学分野 准教授 医師 社会疫学者
残念ながら対象物を持ち合わせていないため経験なく、どれくらい痛いのかわからないのですが。。痛いらしいですね。。
意味があるかどうか、という判断は難しく、もちろんマンモグラフィで早期の乳がんな見つかって治った、という方はたくさんいます。利益と不利益の中身が違うので、利益が得られる確率と不利益を被る確率との単純比較で結論できるものではありません。
命はお金では買えませんが、医療に国としてどれだけコストをかけられるかには限界があります。がん検診のやり方も、いろんな視点で評価して、同じコストでも最も利益が大きく不利益が少ないものを選ぶ必要があります。
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Satomi Ikoma
マンモグラフィーってあの痛い検査だよね。痛い思いして、しかも意味ないとか!!だったら絶対にやりたくないよー。
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