インドネシアで人気の “健康デリバリー”とは? 新興国の不便さが生み出す新ビジネス
- 3,350
- 7
- 1
日経トレンディネット 2015.07.13 UPDATE
(2015年07月10日 日経トレンディネットより) 生活習慣病率の増大や医療費高騰から、見た目の美しさよりも健康への意識が高まっているインドネシア。新興国の不便さとソーシャルメディアの融合により、これまでの先進国では見られなかったような新たな形の健康ブームが起こっている。
インドネシアで起きていることは、日本を含めいろんな国で起きていることと似ています。記事をまとめると、
もともと塩や油や砂糖を使った食べ物が多かった→近年は海外からファストフードが流入→2007 年に12%だった肥満率が2010 年には約2倍の21%に→生活習慣病も増→海外資本の医療施設の建設が相次ぐ→国民 1 人当たりの医薬品支出額が2003 年の 18 米ドルから 2010 年には 125 米ドルに急増→「不健康は高くつく。お金がないと病院にも通えない」→健康への意識の高まり→健康食デリバリーサービスの登場
しかし、健康食デリバリーの値段は、普通の食事デリバリーの2倍以上。お金に余裕のある人しか利用できません。
そもそも事の発端のファストフードは、貧しい層が多く利用する傾向があります。
以上を得した人、損した人で分けると、
●得した人
ファストフード産業、医薬品企業、海外資本の医療施設、健康食デリバリーサービス
●損した人
国民(とりわけ貧しい人たち)
僕は長年のフリーライター稼業でかなりの貧乏を経験しました。趣味の短歌に貧乏を詠んだことがあります。
---------------------------------
夕飯の惣菜一品半額で買えれば今日は足りて終われり
店員が半額シールを貼る時を行きつ戻りつ待つ仕事です
時給にすると600円ほどなのでおかずはコロッケしか買えません
------------------------------
僕はずっと自炊ですが、それでも、お金がないと健康にいい食事は難しいものです。
こんな短歌も。
------------------------------
正月の売れ残りの生ハムが半額なのをそれでも買えず
-------------------------------
自分より恵まれている人と自分を比べる劣等感(「相対的剥奪感」と呼ばれます)のストレスによっても、健康は損なわれます。
国民皆保険でない国では、お金がなくて病院にかかれない人もいます。(インドネシアは2014年から国民皆保険制度スタート。それまでは国民の4割が無保険者)
このように、貧しい人は、二重、三重のルートで、健康がむしばまれます。
記事はこんなふうに結んでいます。
「今後どのようなサービスやビジネスが生まれるのか楽しみですね」
って……、楽しめるかっ。
送信完了
いいね!しているユーザー一覧
コメント編集
この著者による他の記事
アクセスランキング
安藤絵美子
大妻女子大学非常勤講師
21世紀の貧窮問答歌…すごく共感します。先日ロンドンに滞在しましたが、エリアごとの経済格差を感じました。と同時に、エリアによってファストファッションのお店で扱っている洋服のサイズも全然違う。日本もいずれこのように健康格差が可視化していくのでしょうか。
このコメントにいいね!する
3件