ビール系出荷、上半期また最低更新 健康志向商品は好調

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favicons?domain=apital.asahi 朝日新聞デジタル(アピタル) 2015.07.14 UPDATE

(2015年7月11日 朝日新聞デジタル(アピタル)より) ビール、発泡酒、第3のビールをあわせた「ビール系飲料」の今年1~6月の出荷量は前年より0.6%減の1億9575万ケース(1ケースは大瓶20本換算)で、上半期として3年連続で過去最低を更新した。ビールの消費が旺盛だった世代の高齢化や若者のビール離れなどで、01年のピーク時から3割近く減らした。  ビール大手5社が10日、発表した。酒類別では、キリンの「淡麗プラチナダブル」やサッポロの「極ZERO(ゴクゼロ)」など、「プリン体ゼロ、糖質ゼロ」をうたう商品が好調で、発泡酒が前年より増えた一方、ビールと第3のビールが減った。

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奥原剛

大学病院医療情報ネットワーク研究センター 東京大学大学院医学系研究科医療コミュニケーション学分野 特任助教 MPH(公衆衛生専門職)

「ビールっ腹」やばい→「メタボ」予防→「ゼロ」「ハーフ」の健康志向ビール系は好調、という流れでしょうか。糖質ゼロやハーフは、「なんとなく良さそう」と選ばれているのでしょう。この健康意識の浸透に、「メタボ」というネーミングが果たした役割は大きい、と思います。

新しく得た情報は、すでに記憶に蓄えられている既知の事柄に紐づけられて、新たに記憶に取り込まれる、と考えられています。(知識の連合ネットワークモデル, Collins & Loftus, 1975)。ですので、既知の事柄に紐づけやすい新情報は、記憶されやすく、活用されやすいと考えられます。

コピーライティングの世界でも経験的に、「みんなが既に口にしている言葉と似た音のネーミングにするとヒットしやすい」と言われています。例えば、「パズル&ドラゴンズ」というスマホアプリの略称の「パズドラ」は、ちょっと前に流行した本の「もしドラ」などの音に似ているので、記憶されやすかったと考えられます。また、「もしドラ」も、「朝ドラ」「昼ドラ」など既知の言葉の音に似ていて、しかも「ドラマ」を想像させるというのも、ヒットを後押ししたかもしれません。

で、この流れで「メタボ」を考えますと、メタボも既知で似た音の言葉がたくさんあります。例えば…、

ジャンボ、マンボ、ダンボ、チョンボ、インポ、女房、うんこ…

なんとなく、ネガティブな語が多い気が…。「メタボ」は、既知で似た音の言葉が多く、ネガティブなイメージが伴いやすい語感だったので、国民への浸透がよかったのではないか、と考えられるわけです。「メタボ、やばいっす」「うちの女房もメタボっす」とか、ちょうどネタにしやすい軽いネガティブさもよかったと思います。

一方、「ロコモ」(ロコモティブシンドローム、運動器症候群)は、「ドコモ」という強力な既知ワードの援軍があるので、多少、記憶されやすいかもしれませんが、メタボと比べると、イメージが伴いにくいですね。

昨年から日本老年医学会が提唱している「フレイル」(筋力や心身の活力が低下した状態)は、似た音の既知ワードがなくて、イメージもしにくいので、浸透に苦戦しそうです。

公衆衛生活動において、ネーミングはかなり大事と思います。

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