担任・校長に当事者意識が見られない…岩手中2いじめ自殺事件
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Mocosuku 2015.07.15 UPDATE
(2015年07月14日 Mocosukuより) いじめ(暴行)の事実を担任が把握している中で、被害生徒が自殺をするというショッキングな事件が岩手で起こりました。 学校で起こっている暴行事件なのですから、学校には間違いなく対応義務がありました。しかし、何も成されないままに、尊い命が犠牲になりました。
この記事は、事件の背景に、「傍観者効果」(傍観者が多いと誰も行動を起こさない)という人間の不合理性があったと言っています。傍観者効果の他にも、人間の不合理な判断・行動はいろいろあります。
例えば、映画館に入ったけれども、映画がつまらない。でも、チケット代がもったいないから、最後まで観る…。こういう事態は「サンクコストの呪縛」などと呼ばれます。一度払ったチケット代は返ってきませんから、合理的に考えたら、これ以上マイナスを出さないためには、すぐに映画館を出て他の有意義な過ごし方をした方がいい。しかし、それができない。
私たちの行動にはこうした不合理性が多々あります。しかし、優秀な職業人は、こうした不合理性を、意識的に克服しています。例えば、できる経営者の条件の一つは、「いさぎよさ」と言われます。投資したけれども利益が出なかった事業からはいさぎよく撤退する。サンクコストに呪縛されないわけです。
いじめの事件が起きると、事態を放置していた教師や学校が「人でなし」「意識が低い」とバッシングされますが、感情的な批判だけでは同じ問題がまた起きてしまいます。
くり返しますが、不合理な判断・行動は、誰にもあります。そして、どういう種類の不合理性があるかが、心理学や行動経済学で特定されてきています。「こういう状況では、こういう不合理な判断・行動に陥りやすい」と学ぶことで、不合理性を回避しやすくなります。この記事の言うように、傍観者効果が事件の一因だったとしたら、教師も人間の不合理性や認知バイアスを学ぶことで、よりよい対応ができるのではないでしょうか。上記のサンクコストに呪縛されない経営者のように。
『不合理 誰もがまぬがれない思考の罠100』(スチュアート・サザーランド 著)などは不合理性がテーマの面白い本です。
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