家庭血圧は医療者に測ってもらう血圧よりも心血管死亡リスクに強く関連している
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MEDLEYニュース 2015.08.06 UPDATE
(2015年8月6日 MEDLEYニュースより) 家庭で測定する血圧は診察室で測るよりも低めに出る傾向があります。今回は、「診察室血圧と家庭血圧の間に診断の差がある場合、家庭血圧による診断を優先する」というガイドラインの根拠となる論文のひとつを紹介します。 ◆家庭血圧、検査による血圧と死亡の関連性を検証 この調査では、40歳以上の1,789名を対象に、家庭で測定した血圧と、検査で測定した血圧が、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患による死亡のリスクと関連するかを検証しました。
家庭血圧の予後(心血管病発症や死亡リスク)を予測する力は診察室血圧よりも高いことから、高血圧治療ガイドライン2014では「診察室血圧と家庭血圧のレベルに較差がある場合、家庭血圧による高血圧診断を優先する」としています。
それでは、なぜ家庭血圧のほうが予後を予測する力が高いとわかったのか!?血圧を測定し、その方たちを長期追跡してその後の疾病発症や死亡を調査するコホート研究の地道な積み重ねの結果です。
ここで根拠としてあげられている論文は、「大迫研究」という岩手県大迫町(現・花巻市大迫町)の住民を対象としたコホート研究の結果です。
この大迫研究、私も数年前より関わらせていただいています。現在は2015年、この論文の発表は1998年!そして、この研究の開始は1986年!もう30年近くも続いている調査研究なのです。
家庭血圧測定のメリットは、心血管死亡リスクに強く関連していることだけではありません。自宅で毎日測定することで、「最近血圧高いからお薬ちゃんと飲まなくちゃ」など、高血圧治療に対する自覚が高まると言われています。
お家で測るの大変そうと思わずに、朝・夜の1日2回、記事の写真にあるような方法でぜひ測定してみてください!
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くまこー
最近の血圧計は、軽くて小さくて、家庭でも使いやすように設計されていますよね。
数年前は、「あの締め付けられる度合いは調整できないのか?痛いんだよー!」と言われたりもしましたが、今はきっと、そんなこともないんでしょうね。(時々、妙に痛いやつがあるんですよ…^^;)
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