【最終回】世界中の医師と患者をつなぐ電子カルテ
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日経デジタルヘルス 2015.08.17 UPDATE
(2015年8月12日 日経デジタルヘルスより) これまでの5回の連載で、医師・電子カルテベンダー・患者のそれぞれの視点から、電子カルテの現状の問題点や改善案について言及してきました。各テーマにおけるRe-Design構想を簡潔にまとめると以下になります。
記事の内容は正直かなりふわふわした抽象的な内容(アイディア集?)でつかみどころがないというかなんというか(それがいいとか悪いとか言っているわけではないので誤解なきよう)。
内容に関連して2点だけコメント。
1)電子カルテの普及について
”先日、政府がまとめた「日本再興戦略 改訂2015」の中で、2018年までに400床以上の病院の電子カルテ導入率を90%以上にするという発表がありました。しかし、中規模以下の病院・診療所の電子カルテ導入率はまだまだ半分にも及びません。”
と書いてありました。
これだけ長い記事書くなら、どれくらい普及していないのかについてくらいは明確に数字で示してほしいなぁと思いました。
文句を言っても何も世の中何も変わらないので、自分で調べてみました。
ざっくりとした推移。
http://www.jahis.jp/members/data_list/data0204/
詳細については、以下のようなお国の調査があるようです。
平成23年医療施設(静態・動態)調査
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001102728
電子カルテの普及割合の数字を抽出しました。
医療機関全体:99547 中 18653=20%くらい、ですかね。
この時点で、政府の掲げる「あと3年で90%」は、かなりの高い確率で達成されないだろうことは容易に想像ができます(苦笑)
病院設置主体別にみていくと以下の通りでした。
国:585 4=1%以下(苦笑)
公的医療機関:3632 262=10%以下(苦笑)
医療法人(いわゆる民間):36859 7784=20%
個人:46227 10079=20%
ちなみに歯科は普及しているようですね。
歯科(ほぼ民間):68156 20915=30%くらい
上記のような結果ですので、民間は健闘しているようですね。
頑張れ、国と公的医療機関の病院、ってことですかね。
2)カルテの情報公開について
カルテの内容は誰のものでしょう?
患者さん?医者?病院? 保険者や行政(国)?(笑)
私の理解としては、基本的には患者さんの物だけど、普段は医療機関が管理しています、ですかね。
管理については、医療法という法律で、医療機関に義務付けられていると思います(確か・・)
ちょっと調べてみると、カルテは意外と、医者(医療機関)のものなのかもしれません。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1238015022
http://www.mfukuda.com/isikai/riji.htm
http://www.mfukuda.com/isikai/riji.htm
まぁ上記はネットの情報ですのでご参考までという理解で。
多くの人が自分のカルテを見たことは無いと思います。
しかし実は、日本に、自分のカルテをとても容易に見ることができる病院があること、皆さんご存知でしょうか?
何かと先進的な取り組みで有名な、千葉にある亀田総合病院です。
http://www.kameda.com/ja/general/about/feature/index.html
”PLANETでは、下記をご覧いただくことができます。また、患者さま自身の記録が入力できます。
1 .医師の診察記録
2 .処方箋の記録
3 .各種レポート
4 .血液検査などの検査結果(時系列でグラフにして推移をご覧になることも可能です)
5 .レントゲンなどの画像(心臓などの動画や眼底検査など特殊なものは反映されません)”
公開により患者さんの満足度は上がりそうです(実際どれくらいの人が見ているんだろう?)。
医師としては、「いつ患者さんにみられるかわからない」という緊張感があるので、記入にはより慎重になりそうです。
しかし医師として同時に思うことは、公開により、医師が書く内容を控えてしまったがゆえに、診療に負の効果が出ないものか?とちょっと思います。
従来であれば、気軽にメモしていた内容だったり、引継ぎDr.へのカジュアルなメッセージなどが記載されていたことがなくなり、実際の診療に影響もありそうだなぁと思いました。
そのようなインフォーマルな記載は、結構実際的には効果ありそうだけど、そういう物もフォーマルに記載すればよいのでしょうけど。
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