4月にスタートした「機能性表示食品」で消費者のヘルスリテラシーは高まるのか?
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HEALTH PRESS 2015.08.25 UPDATE
(2015年8月19日 HEALTH PRESSより) 今年の4月にスタートした「機能性表示食品」の新制度。「特定保健用食品(トクホ)」と「栄養機能食品」に続く第3の食品表示制度だが、43年ぶりの改正ということで鳴り物入りで始まった。 事の起こりは2013年、有識者会議「規制改革会議」での提言を受け、安倍政権が「健康食品の『機能性表示』を解禁します」と閣議決定したことだ。その狙いは、食品産業の市場拡大である。アベノミクス第3の矢、成長戦略の一環だ。 そして、その制度の引き受け先は消費者庁。新制度がいかに消費者にとって有意義なものであるかを伝えなければならない。これまでの「いわゆる健康食品」は、イメージ戦略に終始し、何がどのように体にいいのかを表現できずにいた。ゆえに消費者が誤った用い方をしたり、有効に利用できなかった。また、真っ赤なウソをついたり、品質や安全性に何の責任も持てない悪質な商品もある。これらを峻別するためにも有効な制度だという。
機能性食品制度については、以前コメントした記事を参考にしてください。
http://healthnudge.jp/4416
コメントでは、ヘルスリテラシーについて補足したいと思います。
ヘルスリテラシーは「健康や医療についての情報を得て、理解して、適切な意思決定をする能力」です。
人は行動するとき、常に得た情報を元に行動選択します。これは医療や健康においても同じ。
医師から治療方法を聞いて、患者は判断しますし、薬剤師からジェネリックの説明を聞いて、患者はジェネリックにするかどうかを判断します。そして、健康食品の広告・記事を見て、購入するかどうか判断します。
情報が入手できなかったり、得た情報が誤っていたり、正しい情報を得ても理解できなかったりすると、適切な行動は選択できません。医療が複雑になり、インターネットの普及で情報が溢れる現在、ヘルスリテラシーは必要なスキルと言えます。
機能性表示制度の導入でヘルスリテラシーが上がるかどうかは分かりません。しかし、この制度で、健康食品の利用を考える上で、消費者が「判断するための視点」が得られるのではと思います。
記事にもありましたが、この制度について消費者教育が必要だと思います。
まず、このような制度があることを、消費者に知っていただくこと。そして、特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品、機能性表示食品以外の健康食品は、「一般食品」であることを知ってもらう必要があります。
機能性表示食品の届け出内容は、消費者庁のHPで読むことができます。
見てみましたが、やはり、専門ではない人が評価するのは難しいかもしれません。専門ではない人でも参考にできそうなチェックリストがあればいいと感じます。
http://www.caa.go.jp/foods/todoke_1-100.html
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Kouhei Ohkawa
きちんとオープンに様々な課題解決しながら制度の品質をあげて支持を拡大するドライブをして欲しいです。
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近藤尚己
東京大学 大学院医学系研究科 健康教育・社会学分野 保健社会行動学分野 准教授 医師 社会疫学者
お粗末すぎるデータで機能性食品をうたっている商品があるということですが、それは機能性食品の認定基準がお粗末ということですね。
消費者を惑わす制度を消費者庁が作るような事態は避けていただきたい、と思うのは私だけでしょうか。
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