少数精鋭・総合診療医集団、離島の高水準医療を支える
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yomiDr(読売新聞) 2015.10.01 UPDATE
(2015年9月18日 yomiDr(読売新聞)より) 今日は、隠岐の島のお話です。 今年は夏休みをまったく取っていなかったので、先日、ひとりで隠岐の島に行ってきました。隠岐の島は、島根半島の約50kmほど北側にある島々の集合体です。後鳥羽上皇が承久の乱(1221年)の後に流されたり、後醍醐天皇が建武の新政(1333年)の前に流された場所として歴史的にも有名です。周囲は日本海ですので、海の幸はとても美味しいのです。そしてカルデラがそのまま残る隠岐で一番大きな島、テレビの天気予報などで丸く映る島が、島後といいます。そしてカルデラの外輪山の一部が海底に沈み、外輪山が取り残される形で3つの島がある島前諸島があります。そんな日本では通常見られないような風景ですので、世界ジオパークにも登録され、最近は外国の観光客の方も多いという隠岐です。
時代の変化に誰よりも敏感なのは若者でしょう。私を含め、20世紀に医学部を卒業した医師にとって、「カッコいい医療」は高度先進医療でした。国民の期待もそこにありました。その後の医療崩壊などを経て、昨今、21世紀の若い医師は「地域医療」をカッコイイとみなし、総合診療医等の専門性が研修医を惹きつける時代が来ています。その変化の背景にあるのは、十分に豊かになった社会、むしろ長寿をリスクと考える社会、日本経済の失速などでしょう。若者が何をcoolとみなすか。ベテラン勢には理解しがたいことも多多ありますが、時代を読み取る彼、彼女らの敏感なセンサーが検知するものにはやはり大きな可能性あるいはニーズが潜んでいるように私は思います。
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