五輪見据えた受動喫煙規制…条例化へ高いハードル
- 2,689
- 5
- 1
yomiDr(読売新聞) 2015.09.25 UPDATE
(2015年8月23日 yomiDr(読売新聞)より) 2020年の東京五輪・パラリンピックを見据え、喫煙の規制に関する議論が活発化している。 過去の五輪開催国が受動喫煙を防止する罰則付きの法律や条例を制定したことを踏まえた動きだ。東京五輪をきっかけに喫煙率を下げられるか、国、東京都のたばこ対策への本気度が問われている。 五輪を開催した国や都市はこの10年、施設内で受動喫煙を防ぐ法律や条例を制定している。違反した管理者や住民に罰金を科す内容だ。スポーツを通じて人類の健康作りを目指す国際オリンピック委員会(IOC)が、「たばこのない五輪」を推進してきたからだ。
タバコの煙は喫煙者本人だけでなく、タバコを吸わない周囲の人々の健康にも悪影響を及ぼします。健康を守る立場からも受動喫煙の防止に取り組むことが必要です。
なぜ、受動喫煙防止対策が必要なのか?下記の大阪府立成人病センターのホームページにて詳しく説明しています。
http://www.mc.pref.osaka.jp/ocr/t_measures/t_measures1.html#t_section2
受動喫煙とは「他人のたばこの煙を吸わされること」です。たばこの煙には発がん物質等の有害な化学物質が非常に多く含まれています。受動喫煙により日本全体で年間6800人が死亡し [4]、心筋梗塞や肺がん等の病気にかかる者が増え、大人だけでなく子供の呼吸器感染症・ぜんそく等の発病や入院が増えることが明らかになっています [5-8]。短時間の受動喫煙であっても、害は即座に起こり、蓄積されます [5, 9]。
平成21年に厚生労働省によりまとめられた「受動喫煙防止対策のあり方に関する検討会報告書」では、受動喫煙は喫煙者による「他者危害」であることが指摘されています [10]。喫煙は個人の健康問題にとどまらず、他者に害を及ぼす大変な公共問題です [11]。誰にも他人に危害を加える権利はなく、誰もが受動喫煙の害から保護されるべきだと考えられます [11]。
([ ]内の番号はホームページの文章における文献番号。文章はホームページ記事からの一部抜粋。)
さらに、日本の職場における受動喫煙防止対策を比較したわれわれの研究(Tabuchi et al. 2015)において、職場を全面禁煙にすると労働者の受動喫煙の害を有意に減らせる一方、分煙では減らせないことを報告しました。分煙ではなく、全面禁煙を推進していかなければいけません。ちなみに導入コストも全面禁煙の方が安いです。
送信完了
いいね!しているユーザー一覧
コメント編集
この著者による他の記事
アクセスランキング
坪谷透
東北大学大学院歯学研究科 助教、博士(医学)、医師
以下のように考えている人たちに、欧米の多くの国では、アルコールを提供する飲食店含めて公共の施設は全面禁煙でも地元客・観光客で十分にぎわっていることを教えてあげたいですけどねー。「都ホテル旅館生活衛生同業組合」な人々は最近海外旅行に行ったことが無いのでしょうか???もしそうだとすれば、そのような人々は彼らの仕事で、海外からの観光客を受け入れているでしょうから、彼らの母国を知り適切に「おもてなし」するためにも、海外旅行研修などをされた方が良いのかもしれませんね。
”宿泊業でつくる都ホテル旅館生活衛生同業組合は「全館禁煙にすれば喫煙者が来なくなる。各施設が事情に合わせて分煙を進めるべきだ」と訴える。”
このコメントにいいね!する
1件