「漢方の得意な病気」って?~大切なのは「気・血・水」のバランス

病気・医療

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favicons?domain=www.qlife-kampo Qライフ漢方 2015.11.13 UPDATE

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(2015年11月11日 Qライフ漢方より) 伊藤先生は、まず、漢方診療の指標の中でも基本となる「気・血・水」を整えることの重要性を指摘しました。「気」は「元気」や「気力」という言葉で表現されるように目には見えない生命エネルギーのことで、「血」は全身に栄養分を届ける作用のある血液とその働きのこと、「水」は汗や鼻水、リンパ液など血液以外の水分とその働きを指します。漢方ではこの3つの要素が過不足なくバランスよく循環していることを健康な状態とみなしています。逆にこのうちのどれかが不足していたり、滞ったりすると不調や病気などが起こってくると考えられています。

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奥原剛

大学病院医療情報ネットワーク研究センター 東京大学大学院医学系研究科医療コミュニケーション学分野 特任助教 MPH(公衆衛生専門職)

漢方では「気」(生命エネルギー)、「血」(栄養素を全身に運ぶ血液)、「水」(血液以外の水分)の3要素がバランスよく循環していることを健康な状態とみなします。漢方の源流は2~3世紀に中国でまとめられた『傷寒論』という古典医学にあり、気・血・水の考え方も中国の古典医学が源です。

で、東洋で『傷寒論』が編まれたのと同じ2世紀頃、西洋ではガレノスというギリシャ人医師が、独自の「精気論」に基づく医学を唱えました。「精気論」とは、生命が「プネウマ=精気」(生命エネルギー)によって支配されているという考え方です。また、ガレノスは、血液・黄胆汁・黒胆汁・粘液の循環とバランスで健康状態をとらえる「四体液説」も唱えました。(こうした「ガレノス医学」はキリスト教的世界観と結びついて中世まで崇拝され、現代的な医学の進歩を遅らせる元凶となりました。)

このように振り返ると、東洋の「気」と西洋の「プネウマ」、東洋の「気・血・水」と西洋の四体液説は、発想がなんとなく同じです。洋の東西を問わず大昔に同じことが唱えられたということは、要するに、「気」とか「体液の循環」といった考え方と、人間の何か根本的なこの世界のとらえ方との、相性が良いのだと思います。漢方の効果については私は知識がございませんので何も申せません。しかし、「神秘の波動」とか「なんとかヒーリング」とか、怪しい代替療法の人気が途絶えないのは、要するにその考え方が、人間の根源的な世界観みたいなものとマッチしているからだと思います。

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