「寿命120歳」不老薬に現実味 実は安価な糖尿病薬 米で臨床試験許可
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SANKEI EXPRESS 2015.12.03 UPDATE
(2015年12月2日 SANKEI EXPRESSより) 老化を防ぎ、寿命を延ばす効果があるとされる薬の臨床試験が、世界で初めて米国で来年から行われることになった。米食品医薬品局(FDA)が試験を承認したと、欧米メディアが1日までに報じた。 この薬は、すでに糖尿病の治療薬として広く使用されているもので、動物への投与で老化防止の効果が確認されたという。試験には米英の大学や研究機関などが参加。3000人のボランティアを募り、人間への効果を確認する。参加する研究者は「人間の寿命が120歳に延びる」としており、古今東西多くの人々が追い求めてきた不老不死や若返りの夢が現実になるかもしれないと大きな注目を集めている。
メトホルミンはもう半世紀以上も使われ続けている優良な糖尿用治療薬。
糖尿病は血液の中の糖分濃度が調整でできなくなり、糖分が高くなってしまうことで血管を痛めやすい糖分によって全身の血管や臓器が障害される病気です。メトホルミンは肝臓で糖分が作られる量を少なくしたり、血液中の糖分をとりこんで血糖値を下げる働きをするインスリンホルモンが効きにくくなった状態を改善したりすることで糖尿病の血糖値のコントロールに貢献します。
そのメトホルミンを投与したところマウスの寿命が40%も伸びたという結果から、それを今度は人間で実験してみようというもの。ケタ違いの、未知の領域の臨床試験、という印象です。
記事に「100歳の人は寿命が120歳まで延び、70歳の人は50歳の若さと健康を手に入れられる」とありますが、100歳の人が即座に80歳くらいに若返って120歳まで生きられる、なんて効果はないでしょうね。聞いたとしてもジワジワですから。残念ながら、一粒飲んだらぷわーっとしわが消えてプリプリのお肌が戻ってくる、なんていうSF的な展開にはなり得ません。
「老化を遅らせることができれば、(人類に)はるかに大きな恩恵をもたらすだろう」
これも気になるコメント。人類にとって最も恩恵のあることは何でしょう?安定した持続可能な社会じゃないかな、と思います。延命薬の効果が絶大で、皆が一斉に飲み始めて一挙に世界の寿命が20年延びたとすると、数十年後には100歳世代がウジャウジャ、という未曽有の高齢化を迎えることになるでしょう。そして若返り訳を求める人の爆発的な需要でメトホルミンの価格は高騰。金持ちは長生き、貧困層は短命。やけ食いから糖尿病になっても薬が買えない。メトホルミンの闇市場が蔓延しマフィアがはびこり治安は崩壊。個人の命はながらえど、世界は終焉に向かっていく・・・
なんていうSFにありがちなストーリーを描きたくなるようなニュースでした。
SFの世界はさておき、延命効果やパーキンソン病の進行遅延などの効果が本当にあるとしたら、それを適正に利用することで素晴らしい恩恵を与えてくれるものになるでしょう。使いようが大切だと思います。
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