米国で推奨されている食事内容とは?
- 3,350
- 5
- 0
HARVARD T.H.CHAN 2016.01.13 UPDATE
(2016年1月7日 HARVARD T.H.CHAN 概要を日本語で要約) アメリカ政府が2015-2020年の食事に関する新しいガイドラインを発表した。以前のものとの主な違いは、①従来の砂糖のみならず、加工の際に添加される砂糖の量も制限を設けた ②脂肪摂取量の上限を撤廃し、飽和脂肪酸の代わりに不飽和脂肪酸の摂取を推奨(→ただ単に低脂肪のものを食べればよいわけではなく、飽和脂肪酸の摂取を控えることが大切) ③一日3-8杯のコーヒー摂取を推奨(ただし砂糖とミルクは控えめで) の3つ。総じて、地中海食やベジタリアンのような健康的な食事を、個人の文化や好みに合わせて食べるよう推奨している。 一方で、塩や飽和脂肪酸が多く含まれる食べ物として知られている加工肉は制限されていない。これまでのエビデンス(研究結果)にそぐわないものであり、上記推奨とも矛盾し一般市民の混乱につながる。議会や肉精製業の政治的圧力によりこのような分かりにくいガイドラインインなってしまっている。デンマークやオーストラリアのような、地球の環境や持続可能性にも配慮したガイドラインが求められる。
ざっくりまとめると、アメリカ政府が発表した食事ガイドラインは「オリーブオイルなどの不飽和脂肪酸や野菜を増やして、脂身の多い肉などの飽和脂肪酸は避けましょう。加工肉は塩と飽和脂肪酸の塊だから良くないんだけど、議会や肉関連業者がうるさいから規制はできなかったよー」ってことだと思います。随時発表されている研究結果をうまくまとめたガイドラインなだけに、加工肉もまぁ食べてもいいよー、と書かれているのは少し残念な気もします。ただ、アメリカ人がホットドック、ソーセージ、ベーコンと無縁な生活にすぐに切り替えることなんて想像できませんし、ガイドラインも加工肉を推奨しているわけではなく「can be accommodated」くらいの書き方なので、今回は総じて前進なのではと思います。次の改訂では、さらなるエビデンス(研究結果)、そして人間や地球の健康の持続可能性という観点・圧力から、より人と地球にやさしいガイドラインになることを期待しています。
送信完了
いいね!しているユーザー一覧
コメント編集
この著者による他の記事
アクセスランキング
この記事へのコメント