医薬品の価格「費用対効果」で 厚労省が試験導入へ

病気・医療

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favicons?domain=www.asahi 朝日新聞デジタル(アピタル) 2016.01.22 UPDATE

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(2016年1月21日 朝日新聞デジタル(アピタル)より) 厚生労働省は、先進的で高額な薬や医療機器の費用対効果を分析し、価格に見合った効果がなければ価格を下げる仕組みを4月から試験的に始める。技術の進歩で先進的な薬などが増えたことによる医療費の伸びを抑える狙い。試行しながら2018年度の本格導入を視野に議論を進める。

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渡邊亮

神奈川県立保健福祉大学ヘルスイノベーションスクール設置準備担当 

医薬品などのうち、医療機関が保険請求できる(俗に言う「保険が効く」)ものは、その医薬品の製造販売承認を厚生労働省から受けた後に、さらに保険適用希望を厚生労働省に求めて、保険適用が認められることが必要になります。
医薬品の製造販売承認は主に「有効性」と「安全性」の観点から審査が行われますが、保険適用の際は薬の価格(医療機関などが保険者に請求できる金額=薬価)を定めることになります。従来の薬価の決め方は、新薬の場合は主に2通りの方法で定められていました。新薬と類似している既存薬がある場合は既存薬の薬価を参考とし、既存薬がない場合、製薬会社が提出した原価計算の結果などに基づいて薬価が検討されます。一方、すでに保険収載されている医薬品も2年に1度、薬価が見直されます。この薬価見直しは、医療機関に卸されている価格(実売価格)を踏まえて検討されています。
前置きが長くなりましたが、今回のニュースは、薬価の設定に「費用対効果」の分析結果を反映させる仕組みを導入するということです。上述のように、今まで医薬品の効果を薬価に反映させる仕組みは正式にはなかったのですが、高額な医薬品・医療機器が増加している昨今、効果を踏まえた価格設定が必要だという議論が進んでいます。
このような仕組みは、イギリスやドイツ、オーストラリアなどでも採用されており、オーストラリアでは全ての新薬について費用対効果を評価することになっているそうです。
革新的な新薬の利用が阻害されるという意見も確かにあるのですが、国民医療費が増加する中、国民皆保険制度を持続的な仕組みとするためには、このような評価に基づいて価格が定められることは不可避かもしれませんね。
長々と書きながらふと思ったのですが、医療関係者以外の方々にとっては「えっ、今までは薬の効果が価格に反映されていなかったの??」ってむしろ驚かれることなのかもしれませんね。

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