介護担う「ヤングケアラー」 支援徐々に:朝日新聞デジタル

健康・予防

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favicons?domain=www.asahi 朝日新聞デジタル(アピタル) 2016.02.09 UPDATE

(2016年1月27日 朝日新聞デジタル(アピタル)より) 家族の介護や家事を担う子どもや若者は「ヤングケアラー」「若者ケアラー」と呼ばれる。その存在を把握し、支援につなげようという取り組みが始まっている。当事者が経験を語ったり集ったりする場も出てきている。

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堤 円香

筑波大学 医学医療系 地域医療教育学 助教 MPH 社会福祉士 キャリアカウンセラー(CDA) 修士(公衆衛生学)

ヤングケアラーとは、この記事でも紹介しているように家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている、18 歳未満の子どものことです。 ケアが必要な人は、主に、障がいや病気のある親や高齢の祖父母ですが、きょうだいや他の親族の場合もあります。

ヤングケアラーは、介護を担うことで多くのことを学び、家族との結びつきを強く感じたり、判断力が磨かれたりする一方で、介護をすることによる悩みや困りごとも抱えています。 役割・責任が、その年齢に不釣り合いなものであるとき、また、心身の発達や人間関係・就学・就職などが影響を受けているとき、自らの社会生活や家庭生活・人生設計に影響があるときにはサポートが必要になると言われています。

ただ、まだまだ日本では、このヤングケアラーにフォーカスした調査があまりなく、日本での体系的なヤングケアラー調査は2015年に南魚沼市で実施されたものが初めて、とされています。しかし、当事者への調査ではなく、新潟県の南魚沼市内の公立小学校・中学校・総合支援学校の全教職員を対象とした調査です。
http://carersjapan.com/img_share/carersjapan_press-release20151201.pdf

今までに「ヤングケアラー」「ケアを担う子ども」「若年介護者」などの言葉を聞いたことがあると答えた教員は、69 人(25.5%)に留まりました。
まだまだ、その実情を、子供と長時間関わる学校教職員も知らないことが多い実態が浮き彫りになります。

今後、ますます病床数が減り、診療報酬の変更により病院から在宅への移行が促進されると、もちろんいいこともある一方で、ヤングケアラーへのサポートが必要になって来ると思われます。

世界的にみて、ヤングケアラーへの支援が進んでいるのは英国です。2011年の国税調査では、イギリスには116万6,363人のヤングケアラーがいるとされています。
http://youngcarer.sakura.ne.jp/#pageLink03

英国の「子ども協会」という団体では、20年ぐらい前から支援しています。ヤングケアラーが集い、自分の気持ちを語れる場をつくったり、年に1度、子どもたちが家庭を離れて楽しめるフェスティバルを開いたりしています。

このような他国の良いところを参考にしながら、介護のために進学をあきらめる、とか介護のために学校で孤立する、といったことが無いように、家族も地域も学校も連携しながらしっかりサポートすることがより一層大切になってくると思います。

(参考論文)
柴崎智恵子,家族ケアを担う児童の生活に関する基礎的研究 : イギリスの"Young Carers"調査報告書を中心に,人間福祉研究 8, 125-143, 2006-03-17
http://ci.nii.ac.jp/naid/110004813430

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