柿崎真沙子

名古屋市立大学大学院医学研究科医療人育成学分野 講師 博士（障害科学）

　ソーシャルブックマークで元論文も教えていただきました（http://jaoa.org/article.aspx?articleid=2557373）。面白いですね。

　患者さんがジェットコースターに乗ったら腎結石が出てきたという報告については、元論文でも引用がないので特に症例報告などがなされてはいなかったようですが、「試してみよう」と思って試してみて結果が出て、しかも後方座席の方が排出される傾向が強いとか・・・・！

　ただ、論文自体は人工的にモデルを作ってそこに腎結石もどきを入れ、腎臓のある部分にバックパックで固定して、研究者がジェットコースターに乗り（！！）、試験を行ったそうですから、実際人体の中の腎臓でこのような効果がしっかりとでるのかというのはまた研究を深めてみないとわかりません。人間の腎臓には人工モデルと異なり色々な物質が詰まってますし、腎臓の周りも色々なもので囲まれてますからね。

　そして興味のある方は是非この元論文を読んでいただきたいのですが、普通あるような倫理委員会やインフォームドコンセントについての記述はない代わりに、他のゲストの邪魔にならないように配慮したこと、ゲストサービスに研究協力の同意をもらったうえで、パークで決められている安全性などを順守して研究に臨んだとの記述があります。また、実際読んで気になったのは、前方でのテストは合計24回であるのに対し、後方は合計36回となっています。回数に差があるのはなぜなのでしょうか。

　それにしても研究でジェットコースターに乗れちゃうのはちょっとうらやましいかも！と思いつつ、60回、全部一人でやれっていわれたら吐くな・・・と思いました。