柿崎真沙子

名古屋市立大学大学院医学研究科医療人育成学分野 講師 博士（障害科学）

線維筋痛症について取り上げた記事です。記者さんのこめた想いに打たれました。

昨年、人気歌手レディー・ガガさんが公表した、筋肉に強い痛みなどの症状が出る「線維筋痛症」。薬物治療で痛みが軽減する患者さんがいる一方で、薬が効かずに痛みに苦しむ方もまだ多くいらっしゃるそうです。

そんな線維筋痛症の患者の方から、記者がもらった1通のメール。そして取材をした医師から聞いた、自殺された患者さん。痛い足を切断しようとして線路に横たわったところを知らない人に声をかけられとどまった患者さん。記者は、「取材では死を考えてしまうほどの壮絶な痛みと、医療や社会から取り残されてしまう孤独な患者の姿が、私なりにですがわかりました。」といいます。

あくまで、この記事はケースレポートの集まりではあります。でも、本来記事とは多くの人に読んでもらうことを目的としているけれども、生と死を分けるのは誰かの何気ない声かけや、その人を思う気持ちではないかと、だからこの記事は、まさに痛みや孤独と闘っている、ひとりに思いを込めて書いた、という記者。

この記事を取り上げることで、その想いが多くの人に伝わればな、と思います。