米国で白人中年の死亡率上昇、依存症など要因
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The Wall Street Journal 日本版 2016.03.01 UPDATE
(2015 年 11 月4日 The Wall Street Journal 日本版より) 米国で白人中年の死亡率が上昇していることが、新たに発表された研究論文で明らかになった。アルコールなどへの依存症とメンタルヘルスの問題が、何十年にもわたる長寿化の流れを後退させていることがうかがえる。米国科学アカデミー紀要(PNAS)に2日掲載された論文によると、1999~2013年の期間では、主として自殺やアルコール依存、薬物中毒、そして慢性肝疾患が死亡率を押し上げた。これらの死因が、肺がんなど他の要因による中年の死亡減少を相殺したという。
2015年11月の記事です。
アメリカでは人種による死亡率格差が観察されていますが、1999年から2013年の期間では白人中年の死亡率が上昇し続けていたことが明らかになりました。論文の著者の一人は昨年のノーベル経済学賞受賞者、プリンストン大学のディートン教授です。
このような傾向は他の先進国では見られていません。原因としては自殺、アルコール依存、薬物中毒、慢性肝疾患などの死亡率上昇が関係していると分析されています。「経済的なストレスが白人中年による薬物乱用に影響している可能性がある」との指摘もなされており、アメリカ社会の見方としてとても興味深い分析です。
混戦が続く今回のアメリカ大統領選選挙にはこのような公衆衛生の背景も影響しているのかもしれません。
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