中村祐輔のシカゴ便り~認知症の予防のためになにが必要かを知るべき!
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HEALTH PRESS 2016.02.19 UPDATE
(2016年2月18日 HEALTH PRESSより) 今日の「New England Journal of Medicine」誌に、「フラミンガム心臓研究」で調査された認知症発症率に関する論文が掲載されていた。このフラミンガム研究は、第2次世界大戦が終わって間もない1948年に、マサチューセッツ州のフラミンガムという町で開始されたものである。その後、約70年にわたって研究が続けられている、世界的に最も有名な疫学研究である。この研究を通して、生活習慣病の「危険因子(リスクファクター)」という言葉が生まれた。
論文はこちらですね→http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1504327
有名なフラミンガム研究より、認知症罹患の年次推移の論文です。たまたま昨日さらっと読んだところだったので、中村先生も取り上げられていてびっくりしました。確かに高齢化で、認知症になりうる人たちが増えているはずなのに、認知症の罹患自体はフラミンガム研究では減っている、それはなぜか?と考えてみると・・・ということで持てるデータから様々な角度から分析・考察している研究でとても興味深いです(ただ、考察が長すぎて個人的にはちょっと読むのが疲れました。中村先生の記事を先に見ていたら・・・)。
このフラミンガムも、以前の記事でご紹介した本を読むと、研究立ち上げ前後だけでもさまざまなドラマがあり、追跡を続けていく上でもさまざまなドラマがあり、疫学研究は本当に息の長い研究だなと思わざるを得ません。トップも何度も変わりますしね。
つい先日、毎週くる各ジャーナルからのアラートを見ていたら、自分と同じ年に生まれた北欧の出生コホートを追跡した結果が出てきました。名前も知らない、あったこともないそんな人たちが研究(というか論文)を通してどんな人生を歩んでいるか、妄想たくましく読ませていただき、めぐりあわせの不思議さを感じました。
疫学的なデータを扱う私たちにとっては、本来はこういった対象者さんはあくまでデータ上では数字の羅列でしかありませんし、研究の結果は結果でしかありません。しかし、ひとりひとりの対象者さんにとってみればまさに人生そのものであり、解析する私たちも単なる数字だけではないことを忘れてはいけない、と私自身は思っています。疫学研究を取り巻くドラマ・・・いつか誰か題材にして映画化とかしてくださったらもっと理解も深まるかもしれませんね。
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