発達障害の大学生増加 放置したままでいいわけがない (NEWS ポストセブン)
- 4,905
- 4
- 0
Yahoo!ニュース 2017.02.18 UPDATE
「多様化社会」という言葉はそれを支える制度がなくては意味が無い。とある大学教員のブログから、コラムニストののオバタカズユキ氏が大学生の「多様化」を考える。
大学の試験で不正行為を行った「太郎くん」の態度について綴られたブログに、医師とする方が「アスペルガー症候群が疑われる、早期に受診をすすめる」
とのコメントをつけた
…というブログをもとに、発達障害を有する大学生(の割合?)が増えていることを大学生の多様化として、教育現場崩壊の危機を招いている…と指摘するコラムです。
一連の発達障害は、診断が難しく、誤解も多いと改めて気づかされたコラムでした。
そもそも、この太郎くんのエピソードが綴られたブログと、件のコメントがどれなのか特定できないのですが、このブログに綴られた太郎くんのエピソードは本当なのでしょうか。どなたか原典をご存知ですか?
また、太郎くんのこのエピソードのみで、発達障害を疑うのは安直ではないでしょうか。
自閉症スペクトラム障害では、確かに対人コミュニケーション上の問題が現れます。
しかしそれだけで、発達障害を疑うべきものではないと思います。
診断に当たっては、診断基準に則り、症状の有無や持続さ、強いこだわりの有無や、得意なこと不得意なことの能力の差、感覚の敏感さ/鈍感さ、
診察室での様子、知能検査の結果や家族等周囲の人から聞く普段の本人の様子や行動、母子手帳などから発育発達歴を採取する…などとても多様な項目を慎重に吟味して診断がなされます。
専門家でも、(特におとなになってからの)発達障害の診断は難しいとされています。
医療従事者ましてや診断を下す立場ならなおのこと、太郎くんのたった1つのエピソードだけでは、軽々しく発達障害を口にはしないのではないでしょうか。
また、太郎くんのように発達障害があり、善悪の判断がつかない人が増えると…という記載についても、慎重に考えたいところです。
確かに発達障害の中には、〆切などのルールをなかなか守れないなどが生活上の困難としてあげられることもあります。
特定のことへのこだわりは強いので、その場の状況に応じて臨機応変に対応することが苦手で、融通が効かないとして周囲に空気が読めていなかったり、今回のようにやっていいこととやっていけないこと、注意されたときの振る舞い、というのは発達障害があれば難しいこともあります。
ただし、発達障害があっても、そういう特性を持たないこともありますし、ソーシャル・スキル・トレーニングなどで「常識」や「善悪」を理解し、自分なりに行動を変えていくことはできます。
十把一絡げに、発達障害は善悪の判断がつかない、というのはいわれなき誤解を招かないでしょうか。
大学生の質の低下と、発達障害を持つ(若しくは可能性のある)学生の増えることと、問題が整理されないまま混在しているように思います。発達障害について注目が集まって久しいですが、誤解やそれによる偏見も多いように思います。
障害の特性や課題、現状について、医学情報リソースや統計情報も一切示されないまま、著者の印象だけ(と思われる)でコラムが進んでいるのも気になります。
ここでは、発達障害に関する情報ソースについて示させてください。
就労や学習に困難のある方をサポートする組織リタリコさんのHPは、とても分かりやすく読みやすく、理解の助けになると思いましたので、シェアさせてください。
お子さんの発達が気になる親御さんのためのサイトのリンクもあります。
https://h-navi.jp/column/article/175
e-ヘルスネット(厚生労働省提供)でも取り上げられています。
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-03-006.html
送信完了
いいね!しているユーザー一覧
コメント編集
この著者による他の記事
アクセスランキング
この記事へのコメント